出版社内容情報
後藤 明[ゴトウ アキラ]
著・文・その他
内容説明
イスラーム世界から過去、現在、未来を見つめると、西洋中心の視点とはまるで異なる歴史が浮かび上がる。肥沃な三日月地帯に産声をあげる前史から、宗教としての成立、民衆への浸透、多様化と拡大、近代化、そして民族と国家の20世紀へ―。シーア派とスンナ派の起源とは?パレスチナ問題はなぜ生じた?宗教と政治の関係は?「歴史は誰かがつくるもの」とするイスラーム史の第一人者が日本人に語りかける100の世界史物語。
目次
1 イスラーム以前の西アジアと環地中海
2 イスラームの誕生
3 民衆のイスラーム
4 拡大するイスラーム世界
5 革新のイスラーム
6 民族、国家、そしてイスラーム
著者等紹介
後藤明[ゴトウアキラ]
1941年、東京生まれ。東京大学名誉教授。専門はイスラーム史。山形大学教授、東京大学東洋文化研究所教授、同所長、東洋大学教授のほか、日本イスラム協会理事、同理事長、中東調査会理事、日本中東学会理事などを歴任。訳書に『預言者ムハンマド伝』(岩波書店、日本オリエント学会三笠宮オリエント学術賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てつ
29
キリスト教中心の世界観とは全く別のイスラム教からの世界史。教義はともかく家系を大切に考える点で日本人には親和的なはずなのに、理解が少ないのは戦闘的だからだろうか。2023/08/10
Vakira
29
神が人間を作ったのではなく、人間はいかにして神を創ったか?人間の存在に理由を付けるため。例えば夜見る夢は自分の自由がきかない。これは夢を創る者がいるとすれば理由が付く。よって神の仕業とする。説明のつかないものは神の仕業。この辺が神創造の発想なのかもしれない。さて今度はイスラーム教に挑戦。コーラン読むのは大変な気がしてダイジェストの歴史から。この本かなり丁寧に判りやすくイスラームの生立ち。ユダヤ教が基本だが教えは異なる。一神教。神が1人だとすれば他の神は神ではないのか?2017/11/05
波 環
9
政治でもなく宗教でもなく歴史としてのイスラームの著述は日本語で書かれている書物は少ないのかもしれないなあ。 なんとかここに書かれている内容を咀嚼していきたい。もう一度読むときには、あのことね、とわかるくらいにはなんとかなりたいものだ。 インド×パキスタン、ロシア×中央アジア、アフリカ、アメリカ×中東。立憲君主国家であること。民主主義とキリスト教、国境線の確定。民族国家、帰属アイデンティティ。普遍的なテーマを『イスラームとしての人生、人生の蓄積としての歴史』で考え直す契機となりそうです。2025/05/08
kawasaki
5
2001年刊『イスラーム歴史物語』の17年文庫化。平易な文体で語られ、固有名詞も極力少なく、イスラーム以前以来20世紀までの歴史を大づかみできる。同時に「西洋近代」を中心とする歴史認識への刺激的な問いかけも。米国同時テロ以前、サダム・フセインもまだ生きてた時代の著作で、基本的には内容そのまま。著者曰く「前世紀の遺物」とのことながら、当時の認識を示し「知る入り口」として今も好適か。文庫版あとがきに、イスラーム世界のことについても含め、外の世界に学ぶ意欲が日本で減衰しているのではと危惧されている。2020/11/19
Tomozuki Kibe
4
授業がイスラームに入るところで図書館で発見。まさに泥縄。ともかく高校生でも容易に読める記述で通勤3日でスラスラ。特に前半。イスラーム勃興の基本前提のあたりが眼から鱗。ああこれってこういう見方なんだと面白かった。2024/09/18
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