火あぶりにされたサンタクロース

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  • サイズ B6判/ページ数 113p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784044002206
  • NDC分類 386
  • Cコード C0010

出版社内容情報

クリスマスにはなぜ贈り物をするの? 20世紀最大の人類学者がときあかす戦後フランスで巻き起こったサンタクロース論争を起点に、現代社会における大人と子ども、死者と生者、そして人類にとっての贈与の意味に切り込んでいく。日仏の人類学者が競演するクリスマス論の名著、新装版。

クロード・レヴィ=ストロース[クロードレヴィストロース]
1908年生まれ。フランスの人類学者。構造言語学の概念や方法を人類学に取り入れることによって親族関係や神話を解明。その手法は広く人文社会科学に影響を与え、構造主義の時代を切りひらいた。著書に『悲しき熱帯』『野生の思考』などがある。2009年、没。

中沢 新一[ナカザワ シンイチ]
1950年生。明治大学野生の科学研究所所長。東京大学大学院人文科学研究科博士過程満期退学。思想家、人類学者。『アースダイバー』『大阪アースダイバー』『野生の科学』(全て講談社)、『僕の叔父さん 網野善彦』『日本の大転換』(共に集英社新書)、『古代から来た未来人 折口信夫』(ちくまプリマー新書)、『チベットのモーツァルト』『森のバロック』(共に講談社学術文庫)、『三万年の死の教え』(角川ソフィア文庫)など著書多数。近著に『吉本隆明の経済学』(筑摩選書)、『日本文学の大地』(KADOKAWA)がある。

内容説明

クリスマスに、贈り物をするのはなぜ?一九五二年、サルトルの依頼で寄稿された論文「火あぶりにされたサンタクロース」。それは、クリスマスの新習慣を分析することで、資本主義化された社会における贈与の意味、そして幸福の問題へと深く切りこむものだった。

著者等紹介

レヴィ=ストロース,クロード[レヴィストロース,クロード] [L´evi‐Strauss,Claude]
1908年、ベルギー・ブリュッセル生まれ。人類学者。パリ大学卒業後、哲学教授資格を得て1935年にサンパウロ大学教授として赴任。1941年には、ニューヨークの社会研究新学院教授として米国へ亡命。1959年、パリのコレージュ・ド・フランス教授として社会人類学の講座を創設する。1982年に退官し、2009年没

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年生まれ。思想家、人類学者。明治大学野生の科学研究所所長。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

37
クリスマスを社会集団の周辺に位置する子供との接触により、幽霊が帰ってくるという民俗学的な文脈でとらえ直します。反復が資本主義と親和性が高く、アメリカで発展したものがフランスに持ち込まれて、フランス人のアンビバレントな心情を喚起させます。キリスト教の正統から火あぶりにされたのは、異教的でアメリカ的なサンタクロースです。ここまでが前半にあるレヴィ=ストロースの論文で、後半は訳者である中沢の解説です。レヴィ=ストロースの文章よりも論旨が整理されていますが、贈与を前面に押し出して、元の論旨と異なっているような印象2018/12/11

サアベドラ

23
レヴィ=ストロースによるクリスマスの絵解き。訳・解説は中沢新一。もとは雑誌に寄稿された論文のため、本文は60ページぐらいしかなく、同じぐらいの分量の解説を足しても一時間程度で読み切れる短さ。内容はというと(私の理解が間違っていなければ)、モースの贈与論を下敷きに、「大人から子供へのプレゼントの贈与」という構造を「生者から死者への贈与」とパラレルのものとして捉え、いにしえの儀礼の複製としてクリスマスを構造主義的に理解している。レヴィ=ストロースの中では割りとわかりやすい方だと思う。2018/01/17

ココロココ

20
薄いながらも、読み応えがある作品。 死者と生者の交通というのが良く分からないけれど、死者を迎え入れるということは、敬うことに繋がると思う。何気なくクリスマスにプレゼント交換をするが、なぜプレゼントをするようになったのかが少しだけ理解できた。解説読んでも良く分からないところが出てきたので、再読したい。2017/12/01

白玉あずき

19
はあ?何読んだんだろう。少なくともサイエンスじゃ無いと思うんだけど。人類学の基礎文献を読んでいないので論評不可能。フレーザー「金枝篇」、モースの「贈与論」等々を読まない事には、土俵に上がる事すらできなかったのだった。「内」と「外」という基本概念すらお手上げでした。人類の集合的記憶とやらに興味はあるのだけど、最初に何を読んだらいいのでしょうか!?2017/01/20

マツユキ

15
作者、訳者の経歴を知らないまま、タイトルに惹かれて、読みました。本当の事件だったんだ。なんとなく知っている気になっているサンタさんですが、そう単純ではないんだな。そして、戦後フランスでの変化というと、割と最近と言う事に驚きました。耳慣れない言葉も多いですが、身近に、面白く、読みました。2021/12/21

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