「霊魂」を探して

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「霊魂」を探して

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  • サイズ B6判/ページ数 312p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784044001933
  • NDC分類 161
  • Cコード C0014

出版社内容情報

『寺院消滅』の著者、最新作! 現代日本人の霊魂観を追う第一章 現代をさまよう霊魂
1 大都会に潜む怨霊伝説
  強化ガラスで覆われた首塚
  大阪・萱島駅のクスノキ伝説
  網棚の上に置き去られる骨壺
2 孤独死の現場で起きていること
  故人のメッセージを伝える
  瑕疵物件サイトはなぜ盛況なの
3 怪談和尚

第二章 僧侶は霊魂を信じているのか
1 近代教育を受けた僧侶たち
  霊魂の話ははばかられる
  僧侶1335人へのアンケート
  多くの僧侶が死を予知している
  虫の知らせ、科学者の見解
  持ち込まれる霊的な相談
  東日本大震災、幽霊現象への大きな反響
2 宗教法人の霊魂観
  釈迦も扱わなかった死後の世界
  宗門の教えと体験のギャップ
  僧侶に除霊ができるのか
  宗教法人へのアンケート
   真言宗(高野山真言宗)/天台宗/修験道(本山修験宗)
   日蓮宗/浄土宗/浄土(真宗大谷派)/ 臨済宗(妙心寺派)
   曹洞宗/神社本庁/創価学会/立正佼成会
   カトリック中央教会/幸福の科学

第三章 日本人の霊魂観
1 日本古来の「霊魂」の捉え方
  両墓性に見る伝統的な祖霊観
  柳田國男が見出した死後の魂の居場所
2 「浮かばれない魂」の行方
  傾聴ボランティア
  三島由紀夫の唯識的な霊魂観
  霊魂観の薄れと寺院消滅の関係
  民間霊能者と寺との関係性
  霊魂を直視することが仏教再生につながる

第四章 霊魂観が色濃く残る村
1 土に葬る村落
  土葬の墓に消えた車
  三昧に参拝しない理由
2 供養の現場での遭遇
  この世の人ではない
  墓場で消えた老人

第五章 現代のシャーマンたち
1 シャーマンは今もいるのか
  霊媒師、拝み屋、カミさま
  普通の「町」に多く潜むシャーマン
2 シャーマン化する僧侶
  不動明王のお告げ
  パラオでの供養
3 残されたわずかな正統派のイタコ
  20年ぶりの亡き「母」との邂逅
  死についてのカウンセラーとして
  恐山イタコに長蛇の列
  イタコとオシラサマ
  津軽の地蔵信仰
  津軽の尼僧イタコに下りてきた「母」
4 興隆を誇る沖縄のシャーマン
  地域の相談役、ユタ
  歯をすべて抜き、髪を伸ばし続ける
  85歳の神人が守る祭祀
  ニライカナイに最も近い神の島
5 アイヌのシャーマン、トゥスクル
  暗闇の中、トゥスクルの家を訪ねる
  神に憑かれる
  アイヌの他界観

電車の網棚への遺骨の置き去りが増えるなど、
人々の霊魂観の薄れを感じさせるニュースが相次いでいる。
宗教界に目を転じれば、明確な霊魂観を持つところもある一方で、
霊魂が存在するのかしないのか答えられない教団もある。
現代における日本人の霊魂観を探るため、
著者は鎮魂の現場、土葬の風習が残る山村、
各地に息衝くシャーマンなど、数々の「霊魂の現場」を訪ね歩いた。
さらに、1335人の僧侶、20宗教団体への調査を敢行。
ここに日本人の霊魂観が明らかになる。

鵜飼 秀徳[ウカイ ヒデノリ]
著・文・その他

内容説明

電車の網棚への遺骨の置き去りが増えるなど、人々の霊魂観の薄れを感じさせるニュースが相次いでいる。宗教界に目を転じれば、明確な霊魂観を持つところもある一方で、霊魂が存在するのかしないのか答えられない教団もある。現代における日本人の霊魂観を探るため、著者は鎮魂の現場、土葬の風習が残る山村、各地に息衝くシャーマンなど、数々の「霊魂の現場」を訪ね歩いた。さらに、1335人の僧侶、20宗教団体への調査を敢行。ここに日本人の霊魂観が明らかになる。

目次

第1章 現代をさまよう霊魂(大都会に潜む怨霊伝説;孤独死の現場で起きていること ほか)
第2章 僧侶は霊魂を信じるのか(近代教育を受けた僧侶たち;宗教法人の霊魂観)
第3章 日本人の霊魂観(日本古来の「霊魂」の捉え方;「浮かばれない魂」の行方)
第4章 霊魂観が色濃く残る村落(土に葬る村落;供養の現場での遭遇)
第5章 現代のシャーマンたち(シャーマンは今もいるのか;シャーマン化する僧侶 ほか)

著者等紹介

鵜飼秀徳[ウカイヒデノリシュウトク]
1974年6月、京都市右京区生まれ。成城大学文芸学部卒業。報知新聞社、日経BP社を経て、2018年1月に独立。一方、僧侶の顔も持つ。1994年より浄土宗少僧都養成講座(全3期)に入行。1996年に浄土宗伝宗伝戒道場(加行)を成満する。主に「宗教と社会」をテーマに取材、執筆を続ける。テレビ・ラジオ出演や、大学や宗教界などでの講演も多い。浄土宗正覚寺(京都市右京区嵯峨)副住職。佛教文化学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

33
魂はなんとなく「ある」とおもっている、でも死んだあとどうなる?とつきつめて考えることはない。否応なく考えさせられるきっかけがなければ。例えば、東日本と阪神との幽霊譚の量のちがい。行方不明者の数は、それだけ、霊魂について納得させてもらいたいと求める人の数。◇そしてそれに向き合う宗教者たち。収められた各宗派、そして僧侶たちの霊魂観アンケート(貴重だ)に教義との矛盾を指摘するのに意味はない、いや、目の前の人に向き合うときとのズレにこそ、意味があるのかもしれない。自身も僧侶である著者ならではの当事者性がうれしい。2018/05/26

ただぞぅ

14
東日本大震災後、多くの「霊魂現象」が取り上げられた。青森のイタコの元には死者と「対話」をしに訪れる被災者が相次いだという。日本史において災害や戦争により大量死の現場は各地に存在する。だが阪神淡路大震災では「霊魂」に関する報道は皆無に等しい。この違いは行方不明者数。遺体をみつけ供養しなければ「浮かばれない」という日本人特有の死生観。供養し魂を鎮めることで死者に対する畏敬を表現してきた。一方昨今、遺骨の盗難、置き去りが相次ぐなど霊魂観の希薄化も感じられる。霊魂の存在、供養の意義について考えさせられる一冊。2023/12/23

大島ちかり

13
シャーマンとかイタコとかの本物がいると思っているので、その本物にインタビューした本。代々継がれる歴史的背景や自分が意識不明の重体になって九死に一生を得たら、物事を見極める能力がついていたからイタコになったとか。何を信じるか、誰を信じるか。この方たちのお陰で生きる力を取り戻す人がいるのも事実。2025/03/15

seichan

7
東日本大震災では幽霊を見たという話が相次いだけど、そもそも霊魂って?各宗教・宗派ではどういう見解?イタコとかユタとかの民間信仰もふくめて、いまの日本人が「霊魂」をどう見ているのか、をあきらかにしようとした本。 著者はお寺の住職だっけか、でも迷って手探りだからこそ、こういうアンケートをしようとしたのだろう。でも「霊」とか「死後」とか、輪郭あやふやだよね。高齢化社会で年寄りがあふれ、遠からずたくさん死ぬのに。2019/11/16

kichy

5
仏教の中に霊魂の存在を肯定的に認める考え方は基本的にはないが、浄土真宗を除き霊魂の存在を前提とした宗教儀式は各宗派に見られる。教義的には困難であっても日本人の感情を鑑みると仏教の儀式に霊魂を前提とした所作や思想を採り入れざるを得ない土壌が日本にはあったのだろう。霊魂を認めることで精神的な安らぎを得ることができ、救われる人も多い。先祖や親しい人の霊魂の存在を認め、生きている者と関係性を築いてくれているという世界観を持てることは、ある意味で幸せなことなのかもしれない。2024/04/08

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