内容説明
祇園祭の熱気に歓喜し、山鉾巡行に息をのむ。中世と変わらぬ町衆の興奮ときらめきが今も息づく町、京都。町こわしが進むこの町にも、古き良き暮らしが溢れている。住人の名が入り口に刻まれ静謐を守る路地、音のみで微妙な狂いを見分ける扇骨師の技、伝統を守り抜く老舗の数々。長年京に暮らした著者が、四季折々の風物や亡き父との思い出、京暮らしの悦びを、美しく精緻な細密画にのせて情感豊かに綴る、珠玉の京都案内。
目次
まえがき 京都かく生きてあり
祇園祭のこと(祇園祭宵山の不思議な魅力;ぎらぎらの太陽のもと息を呑む辻まわし;あやうさと希望とがせめぎあう祇園祭)
京に暮らす悦び(なくなってしまった祇園石段下の八百文;清潔な心店、漬物店の竹田;父が愛でたお茶―三木蓬莱堂と竹村玉翠園のこと;多様な京菓子の世界―鼓月と女あるじの心意気 ほか)
著者等紹介
寿岳章子[ジュガクアキコ]
1924年、京都生まれ。東北大学法文学部卒業。87年3月、36年間勤めた京都府立大学を定年退官。2005年、没
沢田重隆[サワダシゲタカ]
1918年、東京生まれ。東京高等工芸学校(現千葉大学)図案科卒業。企業広告、装丁、挿絵、油彩など多方面で活躍。『生粋の下町 東京根岸』をはじめ、日本の都の景観や人々の暮らしを現代の眼で捉えるシリーズの絵にライフワークとして取り組んだ。2004年、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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