出版社内容情報
卓抜した発想力とユーモアが光る第18回日本ホラー文庫小説大賞短編賞受賞作
穴、穴、穴。なぜか穴に入る魅力に目覚めた僕は、ホースや同僚の口を手始めに、どんな穴でも入りたくなるようになった。その欲望の果てにあるものは――? 奇妙な味わいが癖になる日本ホラー文庫小説大賞短編賞受賞作!
内容説明
ホースの穴に指を突っ込んだら、全身がするりと中に入ってしまった。それからというもの、ソバを食べる同僚の口の中、ドーナツ、つり革など、穴に入れば入るほど充実感にあふれ、仕事ははかどり、みんなから明るくなったと言われるようになった。だが、ある一つの穴に執着したことから、彼の人生は転機を迎えることになる―。卓抜したユーモアセンスが高く評価された第18回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作に他4編を収録。
著者等紹介
国広正人[クニヒロマサト]
1979年生まれ。第18回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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忠犬じろレポ
82
表紙の絵から、ホラーのイメージがつかめなかったのですが、私にはホラーというよりコメディ小説って感じでした。文体のせいかもしれませんね。2013/12/01
あも
64
穴らしきものに入る/金骨/よだれが出そうなほどいい日陰/エムエーエスケー/赤子が一本。角川ホラーの短編賞を受賞した表題作を含む短編集。穴に入る快感を覚えた主人公は次々に色んな穴に入っていく。セーターの袖に無理矢理入る程度で済めば良かったが、趣味はエスカレートし、遂にはコンセントの穴にまで…果てはどうなる?といったシュールでナンセンスな世界観がとても好み。陰鬱さは一切なく、スッキリ読めるので軽いモノを読みたい時にオススメ。書いてたら再読したくなってきた。この作者はこれ1冊だけで、もう書いてないみたいで残念。2012/10/10
はらぺこ
41
短編集。ホラーの定義が分からん。コメディーちゃうんかなぁ?これが漫画やったらギャグ漫画にジャンル分けされてる気がする。五話中四話が「よく晴れた~」で始まるから気づかん内に明るいイメージで読んでたんかな?この表紙が怖くないのが1番の原因やと思うけど、これ以外の表紙は思い浮かばんぐらいイメージ通り。 自分がプロレスとキン肉マン好きやからかも知れませんが「エムエーエスケー」はワクワクしました。2014/11/29
りょうこ
32
続けざまに短編を読み終わってしまった....。ホラーは久しぶりだったのでなんだかモヤットゾゾッとした感じ。ちょっとしたネーミングセンスが笑えた(笑)ブラックヤクルトンレディー(笑)薄いのであっと言う間に読み終わりました。2011/11/16
まるる
28
シュールホラーとでも言えばいいのでしょうか?怖いって言うよりは気持ち悪い感じ。でもコミカルに読めちゃう。独特の世界観に引き込まれました。「世にも奇妙な物語」に取り上げられそう。読んでる分にはゾクゾクたりブルブルしたりしないけど、自分が当事者になったらメッチャ怖いよねってお話でした。2013/11/04