内容説明
かつて、沖縄の美ら海は血に染まっていた。1945年3月26日からおよそ90日間。非戦闘員であるはずの「ひめゆり学園」の320余名は日米両軍が激突する戦場へ動員され、13歳~19歳までの227名が死亡した。“人間が人間でなくなっていく”戦場での体験を語り続ける宮城喜久子。記録映像を通じて沖縄戦の実相を伝えていく中村文子。2人のひめゆりの半生から沖縄線、そして“戦後日本と沖縄”の実態に大宅賞作家が迫る。
目次
第1章 沖縄戦と9・11を生き抜く(二〇〇一年)
第2章 建立「ひめゆりの塔」(一九四五~一九四七年)
第3章 星条旗への反乱(一九四八~一九七一年)
第4章 日本(本土)への愛と憎しみ(一九七二~一九八二年)
第5章 映像の中の沖縄戦、証言の中の沖縄戦(一九八三~一九九五年)
第6章 語り継ぐ戦争(一九九四~二〇〇一年)
著者等紹介
小林照幸[コバヤシテルユキ]
1968(昭和43)年、長野市生まれ。ノンフィクション作家。明治薬科大学在学中の92(平成4)年、『毒蛇』(TBSブリタニカ・文春文庫)で第1回開高健賞奨励賞を受賞。99(平成11)年、『朱鷺の遺言』(中央公論新社・中公文庫)で、第30回大宅壮一ノンフィクション賞を、当時同賞史上最年少で受賞。信州大学経済学部編入学・卒業。明治薬科大学非常勤講師(生薬学担当)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。