内容説明
江戸・芝神明前の医院「北村堂」はいつも大繁盛。腕利きであるうえ義に厚い宗哲だが、訳あって人を斬り、長い逃亡生活を送っていた過去を持つ。そのためか、「その筋」から厄介な頼み事が持ち込まれることもある。ある日、昔の知り合い半五郎が労咳を病んだ身でふらりと江戸に現れた。宗哲は住む部屋を世話するが、家主に思わぬことで苦情を言われ…。人情とペーソス溢れる人気シリーズ第1作。
著者等紹介
佐藤雅美[サトウマサヨシ]
1941年兵庫県生まれ。早大法学部卒。85年『大君の通貨』で新田次郎文学賞、94年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei302
40
元渡世人:啓順が町の名医 宗哲になった続編その1。連れ合いのきぬさんが、子どものころの結婚の約束を信じて、ずっと待っていた話が意外性があってよかった。「縫物ぎらい」に効く薬の話は面白かった。わかるような...。2020/06/16
onasu
20
幕末も間近、江戸は芝神明前に、繁盛する医者がいたという。 医家の妾腹で、官立の医学館に寄宿し励んでいたが、親の死に目が運の切れ目、住み家も失い、とどのつまりは意気がっての殺傷沙汰。長い逃亡生活の末に江戸に戻り、また大立ち回りの後に脚を洗って町医者に。 そんな宗哲先生には「その筋」から厄介な頼み事が持ち込まれることも…。○○捕物帖てな作風とはひと味違うが、何とか収めていくというシリーズ初作。 当時の医療事情の引用も多い割に読み易い。図書館の面出しで見つけた。多く読まれているよう。続きも何れの機会に。2015/01/14
ねぇ
6
お気に入りさんの感想を見て、気になっていた作品。シリーズ一作目なので、読みなれてないせいか、まだ主人公の全体像とか作者の世界観みたいなものが掴めなかった。2作目、3作目にチャレンジしてみたい。ただ、読むのに時間がたいそうかかる、、、。2017/04/30
ジュール
6
再読。 江戸時代の漢方の質の高さに驚き。2017/04/16
ジュール
5
再読。宗哲と啓順、経歴が少し変えてあるのに気づく。改めて江戸時代の本道のレベルの高さに感心する。でも一方で病は気からの例も。続きを読もう。2023/04/29