内容説明
国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。父は町で唯一の病院、月ノ森総合病院の院長であり、権勢を誇る月ノ森家に、2人は畏怖を抱いていた。〈ヘルビノ〉と呼ばれる頭部が蜥蜴の爬虫人に出迎えられた2人は、自宅に併設された病院地下の死体安置所に連れて行かれた。だがそこでは、権力を笠に着た雪麻呂の傍若無人な振る舞いと、凄惨な事件が待ち受けていた…。
著者等紹介
飴村行[アメムラコウ]
1969年福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
読んだ小説本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
200
グロいと言えばグロいけど、軽い感じのグロさだったかな。雪麻呂の傍若無人ぶりが、とにかく腹立たしい!このまま、とんでもない大人にならなかったのが、少しは救われたかな。富蔵、かわいい奴だと思ったんだけど…。ラストでどん引き。アサのオツトメにつきあうなよとなっちゃったよ。めちゃくちゃな話だったけど、伏線の回収はお見事でした。でも軽い感じでもグロいのは嫌ですね。2018/10/27
absinthe
150
スプラッタでホラーで、そしてユーモアもある。 もちろんエログロのオンパレードはシリーズのお約束。途中笑わせながらもギャーッと言わせる。登場人物が脈絡なく取り出すもの。そんなものがあったらこんな話になりそうだな。やだな。と思うとよぎった事がその通りに。 粘膜シリーズ?では、-人間、-蜥蜴、-兄弟の3作で一番好き。何かホロっとさせ温かい。変わり果て、行きつくところまで堕ちてしまってから愛に気づく。 ★閲覧注意★2015/08/05
徒花
148
おもしろい……けど、荒々しさと言うか、強烈なインパクトという意味ではどうしても前作『粘膜人間』に劣ってしまうかな。今回はカッパは出てこず、架空の東南アジアの国と、そこに生きるトカゲ人間が登場する。現実と架空の混在具合がお見事。全体の物語としてはかなり練られていて、最後の最後で「なるほど、そうきたか!」展開になっている。エログロ要素も満載で、ちょいちょい挟まれるギャグがひたすらシュールな世界観を形成していて、読む人を選ぶものの、傑作であることは間違いない。2020/05/05
H!deking
114
いやー面白すぎる!今回も想像の斜め上からきた。マジかー。この人の頭の中どうなってるんだろ。個人的には前作より好み。雪麻呂と富蔵の会話のテンポ感も秀逸。オチもどストライクでした。こんな話よく思いつくなー。すげーっす。2019/05/29
あも
91
再読。粘膜シリーズ第2弾。パラレルワールドで飴村ワールドで粘膜ワールドな戦時中の日本。著者の頭蓋をベロンと剥いて中にぱんぱんに詰まった壮大な妄想の一部を見させていただいている気分。この世界では亜人が普通に存在しており、通称・爬虫人と呼ばれる彼らは一部の金持ちの家では使用人として使役されている。その富蔵と雪麻呂坊ちゃまの話と、出征し、ナムール(東南アジアの前線)での話が主軸。エログロ変態度は保ったままにも関わらずミステリ的練度の高さまで装備し始め、更にその真相に切なさまでも与えられてしまう怪作にして問題作。2013/12/03
-
- 電子書籍
- 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本