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角川文庫
もののはずみ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043908011
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

「もの」の「はずみ」とは、世界をひろげていくための大切な力でもあるのです―。パリの裏路地の古道具屋で出会った、作り手の顔が透けて見えるような実直な製品や、元の持ち主の生活の匂いまで感じ取れる、使いこまれたがらくたたち。パタパタ時計、木製トランク、鉛の玩具などなど。国境も時間も超えて愛されたものだけが持つ、秘めやかな物語にそっと耳を傾けた名エッセイ。

目次

多情「物」心
白壁に映ったエジプト
一一〇ボルトの誘惑
うぐいす色の筒
十九時五十九分の緊張
観覧車とペンギン
おまけ
いくさをしない動物たち
ランシャンタン
美しい木〔ほか〕

著者等紹介

堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964年、岐阜県生まれ。作家、早稲田大学教授。95年『郊外へ』でデビュー。『おぱらばん』で三島由紀夫賞、『熊の敷石』で芥川賞、「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、『雪沼とその周辺』で木山捷平文学賞、谷崎潤一郎賞、『河岸忘日抄』で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

97
映写機、コーヒーミル、熊のぬいぐるみといった身の回りのこまごまとしたものに対する偏愛を語ったエッセイ集。ちまちました話になりそうだが、とんでもなく面白い。これまで読んだ堀江さんの本の中で一番面白いと言ってもいいぐらい。小説では抑えられているユーモアの要素が前に出ていて、思わずクスリとすることもあった。手帳、鉛筆、ナイフといったありふれたものの中にもドラマが詰まっていて、それを堀さんの鋭敏な感受性が掘り起こした感じ。人生の幸せはささやかなものの中にあることを、確信させてくれる本だった。2014/11/21

コットン

71
新地学さんのオススメ本。力を抜いた作者と少し古いけれど生活の中に息づいていたガジェット達との関係が爽やかな笑いを誘う!「吸い殻入れと見まがう、うぐいす色の筒がスピーカーで古物市のおやじの言葉に乗せられ家にかついで持って帰った」や「娘が幼稚園に通っていた頃、特別な結び方を習ったとそこにあった鞄にチェック模様の熊を結んでくれた。世の中の常識からすると中年男が堂々と鞄にぶら下げていることは考えられないらしい。いったいなぜ鞄に熊なんか付けているんですか、熊がお好きなんですか、と何度もたずねられた。」等の面白話が…2014/12/12

KAZOO

51
堀江さんの様々な「もの」についての随筆集です。文章はそれぞれ2ページくらいで写真が必ず付いています。私は特に文房具関連のところを興味を持って読みました。この中で紹介されている、ヘンリー・ペトロスキーという人が書いた「鉛筆と人間」という本を読みたくなりました。2015/05/21

とりあえず…

36
「物心」と書いて「もののはずみ」。ふふっと笑みの漏れるような読み方だと思いませんか。「もの」の選び方、探し出した時の反応、付き合い方から著者のそこはかとない可愛らしさを感じてしまうのです。決して高価ではない「もの」達に愛情を傾ける様が、実に楽しそうで、この著者から生まれる小説たちを途端に読みたくなりました。2015/01/08

chanvesa

30
先日の町田康さんの講演会で、堀江敏幸さんと対談した話が出て、あの方は書いている作品もおしゃれと言われていた。この本もいわゆる雑貨のエッセイだが、おしゃれであり、実用品でありながら、あたかもクラフト・エヴィング商會のような幻想性すら感じさせる。ブランドや実用性とは違う「物自体」への、もののイデアへのこだわりというのか。旧ソ連製の時計(166頁)は人肌で温めないと動かないなんていとおしい。鉛製の黒猫親子(130頁)はめちゃめちゃかわいいわけではないけどいとおしさを感じさせる風貌だ。2016/12/11

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