内容説明
熊野山地の集落で台風による山崩れが起こった。パニック障害と離人症性障害のため入院中だった僕は、いてもたってもいられなくて、病院を抜け出した。現地対策本部で出会った不思議な老人ワタナベさんと二人の消防団員とともに、土砂崩れで流された墓地の応急処置に向かうが…。第13回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作のほか、書き下ろし中編「ウスサマ明王」を併せて収録する。
著者等紹介
吉岡暁[ヨシオカサトシ]
1949年生まれ。中央大学卒業、翻訳会社経営。2006年「サンマイ崩れ」で第13回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞(受賞時のペンネームは平松次郎)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nuit@積読消化中
97
【日本の夏は、やっぱり怪談〈其の一・和編〉2019年】イベント参加本。わ、面白かった!この手の結末は読んだことがあると思いつつも、読み終えてジワジワくる表題作に加え、書下ろしの「ウスサマ明王」。何これ?!超面白かった! 道鏡の生き腐れの呪をかけられて、喋る腐乱死体となったゾンビ?やら、プレデターさながらの戦闘部隊とユーマルなる、半人半鳥の擬態生物との闘いも迫力にとんで描かれている。登場するキャラたちもかなり良かった。この作家さんは、本書表題作とこの書下ろし以外はまだ出てないのかな?早く他のも読みたいです!2019/08/10
瑞佳
55
なんだこれ!すごくおもしろかった。表題作はこれぞ日本の怪談といった感じの真っ当な怖さ。とてもオーソドックスな物語ながら、時折ユーモラスな場面も挟みつつ、朴訥と進む展開と明かされる怪異とのコントラストに肌があわ立つと同時に、寥寥としたなつかしさも覚える。味のある方言も良かった。『ウスサマ明王』は、もう傑作。荒唐無稽バンザイ。もしも実相寺監督(亡くなってるけど)で映画化になったら会社休んででも見に行く!と思えるほど。この哀しくてハチャメチャな感じが、わたしには合っていたと思う。2017/10/19
らすかる
47
い~ちまぁ~い、にぃ~まぁ~い、さあんまぁ~い、、、すみません。何でもないです、大丈夫です。表題作の「サンマイ崩れ」は静かにジリジリくる不穏さが心地好い。怖さはないけれど哀愁漂う雰囲気が好きかも。「ウスサマ明王」はスプラッターなパニックホラー? 過去と現在とどう繋がるのかが気になって一気読み。そりゃ祟るわ。こちらも妙に物悲しい。両作とも怖さより雰囲気を味わう作品かな。教えてくれた読友さま、ありがと~(*´˘`*)ノ❣2019/04/09
ヒロくま
33
今年の夏、ホラーがメチャクチャ読みたかった頃に買っておいて、やっと昨日読めました。結果的には満足。多分作者独特の世界観に酔わされる感じで私にはどちらの話もとても楽しめた。(サンマイ崩れ)では、その事に最後まで気付かなくて驚いたし(ウスサマ明王)はハリウッド映画さながらの映像が頭に浮かび、想像力をかきたてられた。他の作品は無いのかなー読んでみたい。2017/09/04
あっちゃん
31
表題作は私のお気に入りの洋画と同じネタ(笑)もう一作は、アクション!ちょっと場面転換が早過ぎて乗り切れなかった( ̄▽ ̄)2023/06/02