内容説明
4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。
著者等紹介
有川浩[アリカワヒロ]
高知県生まれ。第10回電撃ゲーム小説大賞『塩の街wish on my precious』で2004年デビュー。2作目の『空の中』が恩田陸・大森望氏はじめ読書界諸氏より絶賛を浴び、『図書館戦争』シリーズで大ブレイク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 5件/全5件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青葉麒麟
1083
お初の有川作品。他の読者さんのレビューがかなり盛り上がってて吃驚したけど、確かに此れは盛り上がっちゃう面白さだわ!!色々書きたいけど、取り敢えず機動捜査隊の皆さんが格好良すぎ(//∇//)登場人物達、皆好きだなぁ♪2012/07/09
馨
867
自衛隊3部作ラストは海自!最後は陸自も米軍も大活躍w今作も自衛隊や米軍、警察組織のことをよく調べられてて、やっぱ自衛隊強い!と感心します。 潜水艦内部はてつのくじら館で不便さや狭さや居心地の悪さは体験済みです。その上巨大エビの恐怖まで重なれば子供らの態度も最初はムカつくけど頷けます。 一見冷たくて怖い夏木さん、一見おだやかで優しいけど案外冷酷な面がある冬原さん^^一緒になったらきっと冬原さんみたいな男性は女性に尽くしてくれるんだろうなと思うのに、なんで女性って夏木さんに惹かれちゃうんでしょうね(笑)。2015/05/17
海猫
858
巨大エビの襲来!といっても3メートルほどだがもの凄い数で出てくるし、群体としての描き方がエグさを伴った迫力で、これもまたやはり一種の巨大怪獣小説ではある。いきなり異常事態が起こるので掴まれるし状況が拡大していくポリティカルフィクション的描写が素晴らしい。潜水艦に避難した少年少女らのドラマは「露骨に嫌な奴」を使い過ぎでちょっと感心出来ない面があった。しかし終盤の成長劇、丁寧な風呂敷の畳み方、見事な着地、と連発されると総合的に面白かったという感想が残る。シン・ゴジラを鑑賞後に読んだのでいろいろ感慨深い。2016/09/15
再び読書
823
有川氏の著作の特徴をあえて述べよ、と問われたら、今は悪役から救われるべき小人と敢えて表現するキャラクターの秀逸さかも知れない。今回もザリガニのお化け!?から始まるファンタジーの主役は実は圭介だったのかも知れない。それだけ、対抗馬を使って主役を引き立てる術に長けている作家の代表として有川氏を挙げて良いと思える、世に言う自衛隊三部作の締めくくりでした。ややこしい事を書いていますが、何故かすかっとする余韻を残してくれる有川作品でした。2013/07/26
佐々陽太朗(K.Tsubota)
810
これで有川浩さんの自衛隊三部作の全てを読んだことになる。すっかり有川さんにはまってしまいました。読者を物語に引き込む力は天性のものか。キャラクターに魅力があり親しみやすいので読み始めるなり入りこんでしまった自分に気づく。例によって初々しいというか、イジイジとじれったいというか、有川さんお得意のやきもきした恋もこの小説の魅力です。2010/02/13