内容説明
時は元禄15年、泰平の世。父親の仇討ちのため、青木宗左衛門が信州松本から江戸に出てきて、はや3年。貧しいながらも人情溢れる長屋で暮らすうち、「仇討ちしない」待の生き方もあると思い始めたから、さあ大変!恋あり、笑いあり、涙ありの極上の大江戸エンターテインメントの奥に、“立派な最期だったと言われることよりも、格好悪くても生きる”、そんな命に対する慈しみが込められた一冊。映画『花よりもなほ』原作。
著者等紹介
是枝裕和[コレエダヒロカズ]
1962年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組の演出を手がける。95年、初監督した映画『幻の光』が第52回ヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞などを受賞。以降、『ワンダフルライフ』、『ディスタンス』を発表、各国で高い評価を受ける。2004年、『誰も知らない』で主演・柳楽優弥がカンヌ国際映画祭史上最年少の最優秀男優賞を受賞、国内外で大きな話題を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
22
2005年の映画の原作本。是枝裕和監督は、現代劇だけでなく、こんな人情時代小説も書けるんですね、才能のある人は違う。映画は観てませんが、岡田准一や宮沢りえが出演するなどなかなかの布陣。物語のテーマは仇討ち。最近では直木賞の「木挽町のあだ討ち」なんてのもありました。あの作品もあだ討ちを目指す若者を、周りの個性豊かな善人たちがうまくおさめる話でしたが、本作品もテイストは近い。赤穂浪士のあだ討ちと同時並行で進む長屋のやりとりは落語のよう。笑いあり涙ありで、王道の人情もの。さらっと読むにはお手軽な小説でした。 2024/12/23
しい☆
2
映像を思い浮かべながら楽しい読書。弟の印象は映画とぜんぜん違っていて、ほほうと思った。2020/11/22
にゃんこ
2
軽くほのぼのしたタッチで大事なテーマをたくさん語っています。何度も読み返してますが、毎回新しいものに気づかされてます。 映画もよい!映像の美しさに圧倒されます。2013/02/25
みー
1
巻末で映画化されていたことを知り、キャストをあてながら再読。 二度楽しめました!2024/11/10
みーぼー
0
ぽわ~んとした内容で、ほのぼのしました2012/10/07