出版社内容情報
森見 登美彦[モリミ トミヒコ]
著・文・その他
内容説明
私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。
著者等紹介
森見登美彦[モリミトミヒコ]
1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1232
京大生が綴る妄想アナクロニズム小説。灰色の受験生生活をようやく脱して、大学で「薔薇色のキャンパスライフ」を送らんとする「私」の手記のスタイルをとる。本書の特質は、そこで4つのパラレルワールドを妄想するところにある。すなわち、映画サークル「みそぎ」、「弟子求む」、ソフトボールサークル「ほんわか」、秘密機関「福猫飯店」がそれである。4つの物語は、それぞれこれらの学生生活を生きるのであるが、そこでのエピソードには共通項が多い。すなわち、「神話」の祖型となる物語群である。これらが、トータルに開示された時、そこに⇒2019/02/02
遥かなる想い
839
森見登美彦の本では一番面白いという話を聞いて読んでみた。面白かった。4つのパラレルワールドが微妙にクロスし、登場人物たちがいきいきと跳ねている感じ。アニメ化されたようだが、読んでみて元気が出る本である。2011/04/02
風眠
791
バラ色のキャンパスライフを夢見る、冴えない大学3回生の「私」(男)。いっそのこと1回生からやりなおしたい!と、迷い込んだ並行世界。ほんの少しずつ違う4つの物語の中で「私」の奮闘むなしく、どの世界でも最後には、やっぱり冴えないアホ大学生に行き着いてしまう・・・。漫画家や小説家がよく「登場人物が勝手に動き出す」ってゆうようなことを言ったりするけど、まさにそういう感じで書かされたのじゃないかと思う。ひとつの物語をベースに、さまざまなパターンを妄想・・・いや、創作したモリミー万歳! 間違い探しのような中編4つ。2013/03/09
チェシャ猫
763
最初読みにくいと思ったけど途中から熱中してしまった。ifの先にある平行宇宙。憎めない悪人の小津や師匠、明石さんなど。読むほどに行った事の理由がわかっていって面白かった2013/11/20
ちょこまーぶる
732
構成力に関心するけど、頭の中の整理が追い付かなくなってパニックに陥った一冊でした。つまり、この本は1日1章という読み方を勧めたくなります。でも、それぞれの世界の冴えない大学生達の姿が妙にリアルで、現実にそれぞれの世界でもがいている大学生がいるのでは・・・と思わざるえない感覚になりましたね。流石です。で、気になるキャラは自由人樋口師匠ですが、自分が学生の時に出会っていたら4年で絶対卒業できなかっただろうと思いましたね。でも、逢ってみたい思いです。そして、京都に行く時にこの本をチョイスして良かったと思った。2015/06/02
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- 和書
- 与力・同心・十手捕縄