内容説明
愛知県生稲市の布施宮諸肌祭りでは、厄落としの神=神人が地元より、毎年たった1人だけ選出される。今年はタバコ屋の主人、榎木康之が選ばれた。しかし、彼にはどうしても神人にならなければいけない理由があった!実は、ある娘の奇怪な振る舞いが榎木を厄難の渦に追い詰めていたのだ。二転三転する、息もつかせぬ驚天動地のストーリー!大ヒットシリーズ『千里眼』『催眠』の著者の初期傑作『煙』が、ついに待望の完全版で登場。
著者等紹介
松岡圭祐[マツオカケイスケ]
1968年12月3日、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作『千里眼』シリーズは累計600万部を超える人気作となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちげー
17
最後のどんでん返しがとても面白かった。 最初の方は昔の流れの説明で、なかなか読みづらく読み進みにくかったけど、最後の方は一気読みでした。2019/08/08
MarsAttacks!
15
作者初期の頃の作品を完全版として、加筆修正しタイトルを変えたものです。千里眼シリーズなどの派手なエンターテイメント作品でなく、暗く淡々と物語は紡がれていきます。千里眼などのノリで読むと、ちとつらいかも知れませんが、これはこれで作者の違った一面を見せてもらえ、面白い作品と思います。2012/11/11
もえたく
13
著者の故郷である愛知県稲沢市の国府宮神社で行われる奇祭「はだか祭」にインスパイアされて書かれた郷土社会の暗部をえぐるような小説。以前のタイトル『伏魔殿』がしっくりくる気がします。2016/08/22
Yuri
12
裸男2万人が全裸の神人をめがけて殺到する…という奇祭。その神人を選ぶ儀式から始まり、祭りから、その終焉まで。 タイトルの被疑者が誰か分からないまま、オッサンばっかりが登場し、展開も地味。 なのですが!最後のカラクリが分かってくるあたりからが面白くて一気読み。なかなか深い。2017/11/30
はかり
11
松岡にしては意外な印象。と言っても彼特有のトリックはしっかりと組み込まれ、心理的、精神的に重たい。2015年最後の読書本にこれを選んだが、こんな奇祭が本当にあるかは別として、嫌煙家は読むのを遠慮した方が良い。2015/12/31