内容説明
ある作家が怪談会で耳にした奇妙な話の数々。聞いてはいけない話を聞いてしまった末に……背筋も凍る表題作のほか、過去を隠してセレブの座におさまった女が、昔の同僚との再会を機に想像を絶する恐怖に見舞われる「再会」、平凡な家族が海外旅行でむかった先は、美しい南の島だった。そこには思いもよらぬ陥穽が待っていた。不条理な恐怖に身の毛がよだつ「猿島」など、ホラー小説の鬼才が放つ最恐短篇集。
著者等紹介
福澤徹三[フクザワテツゾウ]
1962年福岡県生まれ。デザイナー、コピーライター、専門学校講師を経て作家活動に入る。著書に第10回大藪春彦賞受賞作『すじぼり』、など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
225
福澤ホラーは、もはや人間と化け物(幽霊など)の境界線がぼやけて霞んでしまっている。その境界の危うさが、一種の恐怖感を生み出す。読者を自分(人間の立ち位置)としての不安定感が嫌悪感に誘う。本書は実話怪談というよりも、より物語性を高めた全9作品のよって編まれている。福澤怪談ワールドを十分に堪能できる一冊。2021/04/08
HANA
56
ホラー短編集。陰鬱な空気を味わうものから少年時代のノスタルジックなもの、筒井康隆を思わせる不条理なものまで幅広く収録されている。印象に残ったのはひたすら不条理に苛まれる「猿島」だけど、熱に浮かされたような文体で語られる表題作や生活に追い詰められた様子が息苦しい「ブラックアウト」の鬱々とした雰囲気も嫌いじゃない。特に「ブラックアウト」の生活がどうしようもないのに、そこからさらに追い詰められていく様は後年の社会的な作品を思わせる。著者の怪談以外の小説もいいが、こういう形が一番引き出しの多さを表していると思う。2018/12/02
ヒロくま
25
怪談にサラリとミステリーテイストが加味され、怖さを感じつつも面白いと思わされる。福澤先生の怪談本好きだわー。2018/02/01
らすかる
22
予約本がまったくこないので図書館で借りてきた本でした。題名からすると怪談集なのかと思いきや、どちらかというと霊的な怖さより人間怖~い系でした(;´д`) 面白くなかったわけではないけれど、深く残るはなしはなかった~? 軽く読むには適してました(笑)2018/06/03
鬼灯の金魚草
16
「再会」では子どもが一番怖いかも。今回も堪能できました。2016/12/23
-
- 洋書
- Kruso