内容説明
おまえの怨みを晴らしてやろう。かわりにおまえのからだを貸せ。それは、不死者からの恐怖の呼び声だった―。不知火高校で起こる凄惨な連続殺人事件。被害者は全員、同じ不良グループに属しており、殺される前に、奇妙な電話を受けていた。しわがれた男の声が告げる「…ニワメ、…ニワハ」の謎とは?異形のものが見える少女・神山美咲が真実に挑む!大藪春彦賞作家が、本当の恐怖を描く、書き下ろしホラー最新作。
著者等紹介
福澤徹三[フクザワテツゾウ]
1962年福岡県生まれ。デザイナー、コピーライター、専門学校講師を経て作家活動に入る。著書に第10回大藪春彦賞受賞作『すじぼり』(角川書店)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
48
よくまとまった学園ホラー物だと思う。逆に言うとあまりにもまとまりすぎて意外性がない。すべて想定の範囲内なわけで、背筋が凍るような怖さなんかは感じなかった。壮絶に虐められた男の子が心霊スポットに閉じ込められて。。。その後学園を惨劇が襲います。表紙は好きです。2016/08/27
καйυγα
11
いじめと償わさせる場面に愕然。いじめはとても辛い気持ちになる。やられている方はもちろん、それをただただ見ているだけでもやはり居心地が悪い。この世からいじめや差別はなくならない、絶対に。分かっているけど、撲滅してほしい事柄。そして、本書のキーマンであるアンデッド。コイツの償わせ方がえげつないっちゅーか、拷問以外のナニモノでもない。エゴという言葉とは違った感覚で人を償わせるアンデッドは恐ろし過ぎる。ストーリは可も不可もなしだけど、人と人の関わり合いはなかなかだね。最後のオチは申し訳ない、笑った2016/06/29
永田 誠治
11
読みやすい。一気読み。いわゆる「この恨み晴らさでおくべきか」魔太郎モノ。イジメられっ子の苦悩が切実で、読み物でありながら不快でたまらない。それゆえイジメっ子の惨殺ぶりが痛快(笑)。それに復讐の拷問方法のウンチクやシリアルキラーの話などが程よい刺激。続編があるみたいなので合わせて読みたい。2014/01/11
羊山羊
9
ちょっとホラー小説読んでみるか、とりあえず買って読んでみた1冊。痛くてグロくてゾクりとしながら読みました。本は薄いが、起承転結とショッキングな展開がバランスよく配置されていてテンポが良い。いじめられっ子の守にある悪霊がとりつき、いじめっ子達を殺戮してゆくというストーリー。実質いじめられっ子が主人公だった感。怖いというよりも痛々しい復讐劇でした。もうちょっと他のホラー小説も読んでみましょう。2018/05/10
maxseki
8
最初は学園ものテイストで読みやすいのだが、油断しているとかなりエグい拷問シーンが出てきてカウンターパンチを食らわされる。時々挿入される異常犯罪者に関する豆知識も興味深い。ストーリーは凡庸だが、テンポの良さと適度に散りばめられたアクセントにより飽きることなく楽しむことができた。夜読むと少しだけ怖いので、昼休みの気分転換にオススメの一冊。2014/07/10