内容説明
聖徳太子の没後、蘇我氏専横はとどまるところを知らなかった。蘇我入鹿は、太子の遺児・山背大兄を自死に追い込み、中国の易姓革命に倣い皇位をも窺う。入鹿の学友であった中臣鎌足は、蘇我革命を阻止し新たな国づくりを目指すため、中大兄皇子を戴いてついに入鹿暗殺を企てる。反対勢力を鎮圧して滑り出した「大化改新」を外交的に支えるため、南淵請安が唐に渡るが…。大化改新の全貌を明らかにする画期的古代史小説。
著者等紹介
八木荘司[ヤギソウジ]
1939年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。63年、産経新聞社入社。大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長、編集特別委員を歴任。有沢創司の筆名でも活躍。フィクション作品『ソウルに消ゆ』(第5回日本推理サスペンス大賞受賞)などの著作もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
20
○大化の改新は流れしか知りませんでしたので、興味深く読めました。中大兄皇子、鎌足、入鹿等登場人物の人物がはっきりしているのも良かったです。2024/04/02
TheWho
12
記紀や古代文献から古代日本を紐解く「古代からの伝言」シリーズ第五巻「水漬くかばね 」の時代を詳細に描き、また著者前巻の「遥かなる大和」の続編になる上下巻の古代史絵巻。上巻は、専横を極めた蘇我馬子の没後にも関わらず蘇我入鹿が、古代日本で易姓革命を狙っていたと言う通説を下敷きに中臣鎌足を主人公に乙巳の変から大化の改新の時代を劇的に語っている。そして結びでは、前巻での主人公である高向玄理と南淵請安が登場し大化の改新の全容が浮かびあがり、また微妙な対新羅外交が浮彫にされていく。白村江に展開する下巻が楽しみです。2015/03/13