角川文庫<br> 遥かなる大和〈上〉

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角川文庫
遥かなる大和〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 528p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043828098
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

大和朝廷で改革を進める聖徳太子の期待を背負い、遣隋使に加わった留学生・高向玄理と南淵請安は、隋都で大使・小野妹子から密命を受ける。通事(通訳)・鞍作福利が、奪われた隋帝の国書を追って失踪したため、その行方を探ることになったのだ。高句麗侵略の準備に騒然とする隋で2人が見たのは、帝国の疲弊した現実だった。国書は誰に、なぜ奪われたのか?東アジアの視点から古代日本を活写する、全く新しい歴史小説の誕生。

著者等紹介

八木荘司[ヤギソウジ]
1939年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。63年、産経新聞社入社。大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長、編集特別委員を歴任。産経新聞に長期連載した『古代からの伝言』シリーズは、ノンフィクションの手法で「日本書紀」の世界を再現し、反響を呼ぶ。有沢創司の筆名で『終りなき伝説―ソニー大賀典雄の世界』、フィクション作品に『ソウルに消ゆ』(第5回日本推理サスペンス大賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

54
これは歴史小説ではなく、エンタメ作品なのね。舞台は蘇我馬子と聖徳太子の2つの大きな勢力が表向き協力しながら、かつ裏では対峙しながら政権を取っていた時代。小野妹子を筆頭に遣隋使として隋に向かうところから物語が始まる。そしてこれは東アジアの古代史物語でもあるかな。時折「そんな歴史だったっけ?」と混乱する度、スマホ片手で確認しながら読み進めた。初めてこの人の作品を読んだけど面白い。下巻へ。2019/01/08

TheWho

17
記紀や古代文献から古代日本を紐解く「古代からの伝言」シリーズ第四巻「日出づる国 」の時代を東アジアの視点で描く上下巻の古代史絵巻。時代は隋末期、小野妹子の密命を受けた遣隋使の留学生、高向玄理と南淵請安の二人の若者が大国隋朝の疲弊した支那の現実を目の当たりにし、大和の安全保障と国家制度改革の荒波に巻き込まれていく。並行して隋朝末期の騒乱と高句麗、新羅の朝鮮半島が大和の外交戦略を巡る対立構造が物語の主題となっていく。次巻でいよいよ隋の滅亡が如何に大和へ影響するのか楽しみです。2015/03/03

future4227

15
高校時代に日本史で必死に暗記した人物が次から次へと登場してくるのがたまらない。高向玄理とか南淵請安とかがまだ留学生として隋に滞在している時の話。大和では聖徳太子・小野妹子一派VS蘇我馬子との水面下での攻防があり、朝鮮では大和・高句麗VS新羅・隋の外交戦略が火花を散らし、隋の国内では反乱軍VS正規軍との戦いが繰り広げられる。国内外てんこ盛りのなんとも贅沢な小説です。2015/12/23

シュラフ

11
6~7世紀 聖徳太子の時代の物語。日本にとっては、大陸と朝鮮半島との外交が地政学的にもっとも重要である。当時、大陸では巨大帝国である隋が最盛期であり、朝鮮半島では高麗・百済・新羅の三国時代。隋が高麗を制圧することになると、新羅は髄に呼応、百済が滅ぼされる。そして次に隋が日本に向かってくるのは必至である。国内では、聖徳太子・小野妹子は隋との対決派、権勢を誇る蘇我馬子は新羅派、という対決がある。今から千数百年前の日本でも国際情勢をめぐる緊張があったことはあまりよく知らなかった。      2014/02/08

isfahan

9
「何でこれまで読んでなかったんだ!」という久しぶりの傑作。7世紀初頭、大陸に突如として出現した超大国隋に対応するため、必至で国策を練る小野妹子ら遣隋使、聖徳太子の活躍を軸に、朝鮮半島諸国を巻き込んだ外交合戦、権力闘争が熱く描かれる。一方で、煬帝の高句麗遠征や反隋を掲げる楊玄感・李密の蜂起と挫折まで迫力ある筆致で描ききるという、本当にこれぞ骨太エンタメ小説という本。北上次郎の薦める本が好きな人は好きになると思います。大和といっても玉砕な太平洋戦争の話ではないです。上巻だけでも本当に面白かった。下巻も期待。2015/02/22

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