内容説明
小学校生活最後の夏休み。辻貴雄と横田純は森の小屋で赤ちゃんを見つけた。二人は赤ちゃんをロビンを名付け、母親が戻ってくるまで面倒を見ることにする。だが、しばらくして横田が引っ越すことになり、貴雄は孤立無援の状態になってしまう。ロビンの母親はいまだ現れない。貴雄は誰にも相談できず、一人でロビンを育て始める。幾つもの悪意が襲いかかるとも知らずに…。ホラー小説の枠を超えた衝撃の問題作。
著者等紹介
大山尚利[オオヤマナオトシ]
1974年生まれ。東京都出身。和光大学人文学部卒。2005年「チューイングボーン」で第12回日本ホラー小説大賞長編賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ω
27
おぉ…。角川ホラーから出てるけど、ホラーっぽいホラーじゃない。 小六男の子が夏休みに森で赤ちゃんを見つけて小屋で8ヶ月育てる。(ほんわか100ページ) 中学に上がり恋人も出来た。ここから暫しホラー。クミという気持ち悪い女が出てきて、赤ちゃんロビンを強奪しようと血みどろの争い。汗 ゾクゾクした笑。(ここまでで250) そっからモノ凄い急降下。。。ここからが見どころ。。。読後には一つ溜め息。彼の時計は狂ってそのままにされてたんやな〜。(330) 読トモさんの感想で買い置きしてましたω ありがとーー!2019/10/10
月明かりクラブ
14
久々に本を読了しました。心が痛かった。最後の一文が辛かったです。2019/02/27
茶メル
7
◎切ないホラー。人生を時計にたとえる話や怖がる子供がいたら一緒に怖がってあげる話に考えさせられた。友人のイーグルのミッションの話が面白かった。バッハも。そこらへんだけちょっと20世紀少年みたいでほんわかした。クミが出てきてから読むのが怖くて辛かったけどラストの言葉がキュッと胸をしめつけた。一気読み間違いなしの一冊です。2011/01/09
らむり
4
面白かった。★★★★☆
zazo嶋
4
もともとは「揺りかごの上で」というタイトルで単行本だったものを改題、文庫化。これが...衝撃的な内容。す、凄いオーラを纏った快作です。ホラー文庫からの発売ですが、正直その事がこの作品が売れる可能性を潰してしまうのではないか?という余計なお世話な心配をしてしまいます。 主人公である「貴雄」の狂ってしまった人生という名の時計。そして狂ってしまったまま止まっているその時計。この時計が正確な時刻を刻む時...。身を削る様な切ないくらいの貴雄の狂気が動き出す。 全く息を付く間のない展開。心情描写。心象風景。この作品2010/05/09