内容説明
高級住宅地にある外国人宅に、忍び込み窃盗事件が発生した。定年を間近に控えた刑事・柏田は、以前手がけた未解決事件との関連を疑う。柏田には、残りの人生をともに過ごしたいと願う女性がいた。かつて孤児院で兄妹のように暮らし、いま養護施設を営むマリアだった。柏田のプロポーズに、マリアは思いがけないことを告げる…。時を超えて二人が結ばれるとき、明かされる哀しい秘密。大人のための恋愛小説。
著者等紹介
なかにし礼[ナカニシレイ]
1938年、中国黒龍江省牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒。大学在学中よりシャンソンの訳詩を手がけ、64年「知りたくないの」のヒットを機に作詞家となる。日本レコード大賞を三回、同作詩賞を二回、またゴールデン・アロー賞などを受賞。98年『兄弟』を発表し、作家活動を開始。2000年、『長崎ぶらぶら節』で第一二二回直木賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
妃后
1
中年の恋愛と泥棒の話。いやー、恋愛に年齢は関係ないんだなとつくづく思いました。2014/11/10
anri0912
0
高校の頃に母の本棚から拝借。 内容は何となくでしか覚えてないのですが、 何年後かに なかにし礼さんの作品を読み漁りました。 担任の先生に、女子高生にしては渋いもん読んでんな。と言われたなぁ。
わんつーろっく
0
戦争は終わっても、戦後はいつまでも終わらない。犯人を愛するがゆえに追い詰めていくことに苦悩する刑事。二人に救済の日はくるのか・・・2016/02/28
ほのたろう
0
引き上げ刑事と孤児院院長との恋2006/01/04
ねこ@にゃーにゃー
0
なかにし礼氏の著作は『ぶらぶら節』に次いで二冊目。読みやすい文章。 戦争孤児というか「孤児」という言葉も死語かもしれない。戦後の復興時に育った人たちの話も以前のように語られなくなったように思う。書き物の中に登場人物の体験として描写されるのも記録方法のひとつだろう。 実年世代になっても恋愛はできる! 最後に、盲目のテノール歌手に、彼の父の国の人からささやかな贈り物があってよかった。2020/06/29