内容説明
桐子はカトリックの女子校に通う高校二年生。家の近所のお下劣な環境を脱出すべく、県内一のお嬢様学校に入ったのだけれど、お上品ぶった同級生や先生、修道女との毎日は、すっきりしないことばかり。大好きな母さんの死、郁クンとの恋、衝撃の事件。からまわりする自意識を抱えながら裸の自分に向き合い、明日へ走り出す桐子は―。みずみずしい十七歳の一瞬一瞬が輝く話題作。
著者等紹介
若合春侑[ワカイスウ]
1958年宮城県生まれ。東北学院大学経済学部、国学院大学文学部神道学科卒業。98年に「脳病院へまゐります。」で第86回文学界新人賞を受賞しデビュー。同作および「カタカナ三十九字の遺書」「掌の小石」で芥川賞候補となる。2002年『海馬の助走』(中央公論新社)で第24回野間文芸新人賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
72
千野帽子の本で知った『ガーリッシュ文学』。東北の女子高生が書く日誌。厳格なお嬢様学校の生徒であるが、実家は八百屋。世界が違う生徒たちや先生とのやり取りや、ふとしたことで出会った男子高校生との恋愛を描く。ユーモラスで一生懸命でなんとも眩しい。なかなか面白いのだが、何か物足りなさを感じた。青春小説は読み慣れてないが、これは良いものなのは分かる。おそらくだが、この小説には含めるところがないからだろう。テーマを読み取ることが小説だと思いこんでいるせいだ。ただただ素直なヒロインの語りに感心。実におすすめ。2018/02/17
Roy
30
★★★★★ 「日誌」とタイトルにもあるが、そんな簡潔な言葉で括られるのも憚られる位、過剰なまで饒舌に綴られる、カトリック系女子高生の内省。その内なる己への顧みは痛いくらい滑稽であり、笑かしてくれるのだが、全体的に薄い爽やかな膜に覆われている。それが少し恥ずかしい。膜があるからこその青春小説、膜を破ってこその青春小説。とても面白かった。2009/06/07
さんつきくん
9
舞台は明らかに宮城県。作者の私小説とも読み取れる。塩釜市に住む17歳。カトリック系の女子校に通う主人公。多感な青春を謳歌する、この時期に抱いた矛盾だったり、恋心。初体験の時のドキドキ感溢れる描写も印象的だった。そして、同級生の自死と学校側の対応のまずさ、反抗を覚えたり。そんな17歳の青春小説を無花果にのせて。一番、面白かったのは作中の文化祭の講演に地元出身の作家が登場する場面。作家の名前は伏せられているが、明らかに井上ひさしさんである。講演の内容がまた(^-^;) 女子校で話したとはさすがだ。2014/12/16
光芽様
8
退屈することなく、一気に読んでしまいました。宮崎駿先生の「耳をすませば」の話の内容を何となく思い出し、捩り卑猥的な内容に感じたのは…私だけです。きっと…。時折、自分の体験を思い出し、比べたり、羨ましく思ったり、うっとりしたり、笑えたり。リアルさや彼女の感情の滑稽さが魅力的でした。 最後書かれてあった解説が意味不明でした。 頭が悪いです。 ★★★★☆ 2009/01/24
ナチュラ
6
純粋で生々しい女子高生の青春。女心をリアルに描写した表現にドキリとした。たぶん宮城県の仙台に近い港町が舞台なのだろう。主人公「桐子」の同級生の「矢萩」さんが使う訛りが私の故郷の方言と同じで愛着を感じました。 2013/09/26
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