内容説明
利権とは、政官業による巧みな“税金横領システム”である。巨額の税金を、政治家は「票とカネ」、官僚は「天下り」、業界は「企業利益」へとすり替える。度重なる批判にもかかわらず、その利権構造は捜査当局の摘発から逃れ、あるいは合法的に温存され、公益を呑み続けている。徹底取材によって厚いベールに包まれた利権の存在を追及し、改革を阻む腐敗した構造に鋭く切り込む調査報道の労作。
目次
第1章 私利私欲の謳歌―天下り官僚の聖域(土地改良事業をめぐる利権構造;林業土木事業をめぐる利権構造;建設業保証会社をめぐる権益;諌早湾干拓のその後と違法献金事件)
第2章 環流する票とカネ―集票運動の真相(特定郵便局長会の票とカネ;改革を阻む郵政コンツェルン;迷走する郵政改革;日本医師会と自民党との蜜月)
第3章 むさぼられる税―公共事業の闇(口利きビジネスの台頭;高速道路の利権構造;骨抜きの道路公団改革)
第4章 露骨な利権争奪合戦―省庁再編の舞台裏(農水省改革の舞台裏;巨大官庁・総務省)