内容説明
ネイリストを目指す奈々子はボランティアで老人ホームを訪れ、かつ江という老婦人の爪を美しくマニキュアした。数週間後、かつ江が亡くなったという知らせとともに、遺品の眼鏡が奈々子のもとに届けられる。奈々子がその眼鏡をかけると不思議な映像が見え、奈々子を窮地から救い、導いてくれた。かつ江の眼鏡を武器に、一躍カリスマネイリストへの道を歩み始めた奈々子だったが―。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作家の待望の作品集。
著者等紹介
森山東［モリヤマヒガシ］
１９５８年、京都・五条に生まれる。大阪大学人間科学部卒。現在、大阪府在住。２００４年、「お見世出し」で第十一回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、作家デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★Masako★
72
★★★＋ 森山さん2作目。表紙は怖いが、収録されている4編の短編は、ゾワゾワするもののちょっとファンタジックでシュール。軽めでサクッと読める。表題作「デス・ネイル」は「爪」が意志を持って体を侵食していく様子が気持ちが悪い。ラストの主人公の突然の豹変ぶりに驚き。他3編も面白かったが、後味の良い「感光タクシー」が好みだったかな。森山さんの作品はあと「祇園怪談」のみ。ゆっくり楽しみたい♪【デス・ネイル/幸運を呼ぶ魚/月の川/感光タクシー】2020/02/14
ﾓﾙｸ
71
表題作を含む短編が4編。表題作は爪が全身に次々と生えてくるおどろおどろしさより主人公の豹変ぶりが怖かった。でも、何よりも表紙が一番怖い！2019/07/21
はつばあば
49
デスネイルと後3編。デスネイルでは占い師のおばあさんからもらった涎掛けと眼鏡が奈々子の身を守ったのに欲望と共に捨て去った後の奈々子の人格がホラー以上に怖かった。「幸運を呼ぶ魚」に至ってはカワウソを密輸する日本人がＴＶに登場したが・・ホラーというより人間の愚かさが怖い。感光タクシーでは地元ですので美味しく読ませて頂きました。kindleUnlimitedで読ませてもらえます。紙本業界が行き詰っている折に申し訳ないです(__)2019/02/01
ココ(coco)
32
☆ ☆ ☆★森山東さん、２作目です。４作からなる短編集ですが、表題作の【デスネイル】では、爪が体から沢山生えてくるというグロテスクな話しでしたが、面白かったです。アロワナを題材としたホラーな作品である【幸運を呼ぶ魚】も好みでした。森山作品は後1冊しか出ていないので、大切に読みたいです。2019/12/05
マリリン
30
独特な着想が面白い。ネイリストになった奈々子が遭遇する奇怪な現象が怖い「デス・ネイル」。お受験や子供を通しての人間関係の微妙な心理とホラー感が交錯した「幸運を呼ぶ魚」と「月の川」は特に興味深く楽しめた。「感光タクシー」は境界を彷徨う感が良い。全作品…特に表題作は、産みの苦労を感じたものの、森山作品の根底に流れるものが、朧気ながら理解できたきがした。2019/05/05
-
- 洋書
- Reckless
