内容説明
父が何者かに殺された。サンフランシスコの海岸で無惨な姿で発見されたのだ。父は、水素自動車を普及させるための画期的な燃料タンクを開発し、その特許の帰属を巡って、かつて勤務していた日本の企業と法廷で争っていた。特許権が父に帰属すると認定されれば、継承者の哲治には莫大な金が転がり込む。悲しみを振り払い、哲治は真相解明に乗り出してゆく。だが、事件の背景には日米を股にかけた巨大な黒い影が蠢いていた。
著者等紹介
楡周平[ニレシュウヘイ]
1957年生まれ。米国企業在職中の96年に『Cの福音』で衝撃デビュー、同作はたちまちベストセラーとなり、一躍脚光を浴びる。圧倒的なリーダビリティと日本人離れしたスケールの大きさで読者を魅了するエンタテインメント界の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫陽花
40
経済ものを多く執筆されている楡周平さんの小説。昨今、急激な気候変動対策として脚光を浴びている水素燃料をめぐる特許問題を絡めた話です。地球環境に良い水素。このことは万人が認めています。ただ、水素燃料に急速に切り替えが進むと弊害も出てくるのですね。普段、新聞やニュースで報道されていない裏側の話も知ることができて良かったです。2023/07/24
ピップ
30
車の水素燃料に関する画期的な発明をして、特許をめぐって会社と裁判していた父が殺された話。思っていたほどクレイジーではなかった。もっと複数の青年が無茶をやりつつ真相に迫る話と思っていた。最後はだいぶクレイジーだったけれど、計画的な感じもあって、これはこれでおもしろかったです。ラストは衝撃というか目から鱗というか。このトリックを書きたかったんだろうな~。知ってしまえばなんてことないけれど、十分驚きました^^2023/01/02
Syo
25
そう来るかぁ2022/06/27
Fondsaule
18
★★★★☆ 水素エンジンの基本特許を個人で取得した研究者の父。 膨大な利権の絡む特許を巡り謎の死を遂げる。 闇を暴きに行動したのは息子だった。2023/06/22
ヨムヒト
11
久々にワクワクハードボイルドかな、主人公がまさかの年齢でしたが、途中からページを捲る手が止まらない。楡周平先生、あなたは最高のエンターテイナーだよ!2025/07/15