内容説明
シャカは、世の中の苦悩から脱却し、心の平安をつかむことを追求して、「さとり」の境地を会得した。『般若心経』は、その「さとり」の境地に到達すべき方法を具体的に書きとめた経典である。『般若心経』を平易なことばで、わかりやすく読み解き、シャカが説いた「心の平安(さとりの境地)」の道へわたしたちを導いてくれる一書。
目次
第1章 マントラを説いた経典
第2章 自己の探求
第3章 空の瞑想
第4章 不生不滅の諸法
第5章 空の中には何もない
第6章 涅槃の境地
第7章 般若のさとり
第8章 祈りのマントラ
著者等紹介
宮坂宥洪[ミヤサカユウコウ]
1950年長野県岡谷市生まれ。1973年高野山大学仏教学科卒。名古屋大学大学院在学中、インド・プネー大学に留学し、哲学博士の学位取得。現在、岡谷市の真言宗智山派照光寺住職。サンスクリットに精通する気鋭の仏教学者として仏教学に新局面を開く
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感想・レビュー
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テツ
26
般若心経とその内容は(うっすらと)誰もが知っているだろうけれど、原典であるサンスクリット語からの翻訳と綿密な解釈まではなかなか立ち入らないのでとても面白く読めました。仏道を歩む中で見えるもの。到達する場所。それは確固とした信念をもち仏道を歩んだ人間しか手に入れることができないのかもしれないけれど、どんなものなのか一瞬だけ開示してくれているかのようで。色即是空という四文字を読むことは簡単だけれど真に理解することは難しい。次は久々に正法眼蔵を読みます。2020/01/09
fishdeleuze
23
再読。本書の特徴は、サンスクリット原典に立ち返り、一語一語丁寧に翻訳、解釈していること。その解釈は論理的で明快である。そして、般若心経は、徹頭徹尾瞑想の指南書であり、無明(幼児レベル、世間レベル)から舎利子のいるフロア、観自在菩薩のいるフロア、そしてブッダのいる境地の4層(5層)のメタ構造になっていて、瞑想を深めるために秘鍵となるのが、般若波羅蜜多であるとしていること。フロアを上がるたびに、空が澄んでくる。わずか262文字の宇宙。2016/08/09
俊介
18
般若心経の本格的解説書。この、最もよく知られ愛されてきたお経、しかし最も誤読もされてもきた、と著者。本書でそれを論証。仏教学の大家である中村元氏や、あの寂聴さんにまで苦言を呈すのだから、余程の覚悟と自信をもってのことだ。確かに著者の論証は学術的な意味において厳密だ。サンスクリット語原本や他の経典などを参照して、用語の「正しい」意味を定義してみせる。勉強になった。だが、確かに中身の意味をきちんと理解することも大切だが、同時に、誤読されながらも多くの人々に愛されてきたのは何故か、を考えてみる必要もあるだろう。2021/09/30
アルカリオン
13
「般若心経の解説書の多くは『般若心経の文言を枕として、自身の哲学や講話を語っただけ』のものである。ありがたいお話自体は大変結構であるが、般若心経の解説には一切なっていない。」2021/09/15
Nak34
13
私の人生観に一番近いのかも。人が必要としたから、宗教はあるんだろうね。しかし、肝心要のお釈迦様は、何もしゃべってない。弟子たちがこうじゃないか、こうだよって、伝えてきたのが、般若心経。意外と楽しゅうございました。因みに、私は、かーちゃん教教徒。ははー m(_ _)m2012/03/29
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