内容説明
東京のニコヨン仲間のすすめで共産党員になった金少年。朝連解散・財産撤収の反対闘争で逮捕、投獄され、その勇猛な活動ぶりが注目される。しかし、党の軍事方針に疑問を呈したことから、不良分子の烙印をおされ、苛酷な査問に追い込まれる。暗い奈落に突き落とされた彼の耳に届くのは、美しい恋人Yの「生きて、生きて」という涙の声であった。一九五〇年前後の、現代史の奈落の闇と格調した在日少年の壮大なドラマ、完結。
著者等紹介
高史明[コサミョン]
1932年、山口県下関市生まれ。高等小学校を中退後、独学、様々な職業を経て、作家生活に入る。75年、一子の岡真史(遺稿詩集『ぼくは12歳』)が自死したことを契機に、「歎異抄」と親鸞思想に深く帰依する
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感想・レビュー
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wei xian tiang
2
少年犯罪に明け暮れるノワール風味な第一部よりも、遥かに醜悪で非人間的な日共党員時代の第二部。平和な山村を手前勝手な階級図式で暴力の渦に巻き込もうと一人相撲する山村工作隊時代。地区幹部の感情に基づく方針を正当化する魔法の言葉「これは党の決定だ」。次々に仲間内からスパイ容疑者を仕立て上げては全員で吊るし上げ自己目的化した大人のイジメ。兵本達吉や筆坂も書いていたが、凡そ日共程上から下まで徹底して下司な組織はないのではないか。2014/12/15
さとまみ読書垢2(小説・その他専用)
0
きつい。なんでやねんという気持ちが拭いきれない。