角川文庫
死にたもう母

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043745012
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

八十九歳で実母の「バアさん」が亡くなった。四十九日がすみ、母の持ち物を整理していたら、タンスの引き出しに、おかきセンベイの袋が二十六袋もしまってあった。紐も包装紙も、輪ゴムもトレーも、ためこむ世代の母だった。何やら木の実のようなものが、びっしり詰まった箱もでてきて…。実母の突然の死から、義母の死まで。同居していたふたりの母の最晩年の日々を、温かくユーモラスに綴り、人生の哀切を切り取った感動の随筆集。

目次

長寿梅干し
お上への貸し
不幸の幸
形見の声
ギックリ腰
廃水のゆくえ
おふろ
額のしっぽ
隣人
名前
におう
わからぬ
酔う
肉筆原稿
オリンピック
祝辞
通信販売
朝顔
トラブル
聖夜
元旦
祖父
コロッケ

著者等紹介

出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年、茨城県生まれ。古書店主、作家。古書店経営を続けながら執筆活動にはいり、91年に『本のお口よごしですが』で第八回講談社エッセイ賞、93年に『佃島ふたり書房』で第一〇八回直木賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

30
作家の身辺雑記といってしまえば味気ないが、出久根達郎のエッセイは小説より面白いとひそかに思っている。89歳で亡くなった実母と元子役女優の義母と一つ屋根に暮らした日々を半ばあけすけに語るのを横に座って聞いている気分。執筆当時の著者よりも自分の方が年を取っているとは意外の感もある。祖母と祖父のなれそめのエピソードが可笑しい。「祖父の若い時分は、狐に化かされる人が非常に多かった。人間が愚かであったのでなく、狐の化かす術が、現代よりはるかにすぐれていたのである。何事も時代を経るに従い、劣ってきたと考えてよい。」2021/12/08

rokoroko

10
実母90の事を思って読んだ。今イライラの元だけど、消えていなくなる時が来るのかな、その時どんな風にかんじるのだろう?2018/08/31

Caroline

5
作者の母、作者の妻の母と住んでいた頃のエッセイ。明治、大正生まれであろう女性の可愛らしさを感じます。が、「死にたもう母」の割には母親のエピソードが少なくて残念。2015/07/19

sasha

1
母と義母。晩年のふたりの母のことと、その死。愛犬のこと、歳を重ねるということ。勿論、本業(?)である古本のことも。日常のささいな出来事が、心に沁み入るエッセイに仕上がっている。うまいなぁ。2011/10/28

kousei

0
中年にならないとわからないじんわり効くこう薬のごとき味わいですね。基本的に活字好きで古本屋経営して文筆業で直木賞取って遅咲きでも長く好きなことを続けるって良いね2016/05/20

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