出版社内容情報
あさの あつこ[アサノ アツコ]
著・文・その他
佐藤 真紀子[サトウ マキコ]
イラスト
内容説明
「そうだ、本気になれよ。本気で向かってこい。―関係ないこと全部捨てて、おれの球だけを見ろよ」中学入学を目前に控えた春休み、岡山県境の地方都市、新田に引っ越してきた原田巧。天才ピッチャーとしての才能に絶大な自信を持ち、それゆえ時に冷酷なまでに他者を切り捨てる巧の前に、同級生の永倉豪が現れ、彼とバッテリーを組むことを熱望する。巧に対し、豪はミットを構え本気の野球を申し出るが―。『これは本当に児童書なのか!?』ジャンルを越え、大人も子どもも夢中にさせたあの話題作が、ついに待望の文庫化。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県に生まれる。青山学院大学文学部卒業。『バッテリー』(教育画劇)で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で、日本児童文学者協会賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
276
1000万部を超える大ベストセラーとなった本書は子供が少年野球をやっていた関係で文庫化される前に待ちきれずに単行本を購入して読んだ。飛びぬけた才能を持つピッチャー原田巧の存在感とキャッチャー永倉豪の人物造形がよくまたひたむきな子供たちの姿勢が読んでいて 心をうつ。ライバルとなるチームに強打者がいて・・という設定は定番すぎるのだが。2004/01/01
ehirano1
212
「おれのやりたいのは野球なんじゃ。野球っていうのは、ひとりじゃできんからな(p148)」、「野球って、させてもらうんじゃなくて、するもんですよ(p163)」、「・・・誰かに憧れて、同じように野球をしたいなんて思っている人はだめよ。いつか、だめになる(p193)」。”野球”を”仕事”に置き換えてみると興味深いです。2016/04/02
再び読書
206
野球というスポーツの独自性を表した小説に感じた。投手という孤高であり、相反してチームワークを何より必要とするポジションを描いている。両親、弟、祖父、将来のチームメイトとのやり取りの中で、少しずつ変化していく主人公の巧の心の葛藤が、胸を少し締め付ける。この付近の年齢以外では、まず無い感受性の強さに、忘れていた少年時代を思い出す。これからも続きを楽しみに読み進めていきたい。2012/12/03
ehirano1
175
”孤独のチカラ(齋藤孝)”で紹介されていたので手に取りました。これ児童書じゃないですね、しっかり大人の世界にも当てはまると思います。特に、自分の中に忘れ去られていた何かを思い出させてくれます。良書。2016/04/02
hitomi.s
168
春が来る!と、本棚から少し嬉しい気持ちで持ち出すバッテリー。再読。季節を、自分から感じようとするようになったのは大人になってからな気がする。それまでは、季節はやってくるものだったな。心の機微の、青くさくて苦しいほどの時期。それもまた季節。春。区切りがついたり始まったり(もうすぐ開幕だよと思ったり)。この季節にバッテリーを読み返すことを、楽しみにしていました。春だ。2021/03/06
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