内容説明
義父の陰謀に堕ち、絶海の孤島に送られた秋生。そこは表向きは更生施設と呼ばれていたが、実際は少年達を酷使し麻薬の原料を育てていた。高貴な美貌と邪悪なほど淫らな雰囲気を持つロシア系の美少年クリス、手負いの獣のような激しさを秘めた海人。性と血の饗宴が繰り広げられる、逃げ場のない島で出会った孤独な魂。切ないほどに互いを憎みそして愛する、絶望の日々の先にあるものは…。耽美の女王代表作、待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yourin♪
24
山藍作品を初めて読んだ時、こんなに書いちゃっていいんだ・・・って思ったものだけど、ずいぶん慣れてきた・・・w この作品は官能以外にも緊迫した状況とか脱出劇にドキドキしっぱなし。 痛いしな・・・怖いしな・・・バイオレンス物は苦手なの・・・。 でも読んじゃうってことは、惹かれるものがあるんだろうな・・・。 でもでも所長とのあれはおぞましい・・・>< 綺麗な物だけ見てたいの~w2013/04/11
*蜜柑*
21
義父の陰謀により、少年院から絶海の孤島にある、闇の「更生施設」に送致された秋生。その孤島は、少年達に終わりの無い過酷な労働と、絶望を与える生き地獄であった。そんな地獄で秋生は、圧倒的な美貌と色香で男を狂わす、美少年クリスと出逢う…。淫靡かつ耽美な世界。軽い気持ちでこの世界に踏み込もうものなら、性と死の香りにむせかえり、絡めとられてしまうだろう。濃厚な描写の連続なのに、気品を失わない不思議。クリスの美しさと強さの前では全てが無力。何もかもが狂う。ここまで邪悪な耽美小説とははじめて出逢う。貴重な読書体験。2013/08/24
冬見
12
これで手元の山藍作品はおわり。展開やあらすじから、最後まで秋生はクリスと海人と関係において第三者の立場なのかと思っていたらそうでもなくて驚いた。他の作品でも書いたが、分量や密度の濃い濡れ場の描写と比べると、登場人物の過去や心の動き、交流などの描写があまり丁寧とは言えず物足りなさを感じた。「暗殺者」「男娼」「復讐」「副総長」など属性を表す単語は多いが、単語を提示する止まり。一冊でまとめるには要素を盛り込み過ぎたきらいがあるが、おいしい要素をてんこ盛りにしたとも言えるし、そこはもう好みの問題なのだろう。2019/06/26
こたっち
12
性と暴力に支配された絶海の孤島に、3人の若者が連れて来られるところから物語は始まる。こういうシチュエーション好きだわ~♪お話は、想像していたよりソフトで淡々としているが、ところどころオオッと目を見開くようなシーン有り。見所はなんといってもクリスですな。かっこよすぎるでしょう。島を脱出して、それから5年後、秋生と海人と共に「メネシス」に登場するわけだが、その間の5年を是非読みたいぞ。2013/03/05
ミル婆
12
山藍版『漂流教室』『バトル・ロワイアル』の雰囲気。閉鎖された場で、過酷な生活を余儀なくされる少年達の緊迫感に引き込まれる。それでも、日常的な些細な事で笑い合える彼らが逞しく、怖くもなる。最後の思いのほか甘い展開に嘘だ〜と悶えたけど、これじゃ終わんないだろとこの先のドロドロを妄想した。2012/02/21
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