内容説明
本朝三美人の一人とうたわれた女にも老いが忍び寄る。夫の訪れが途絶えがちななか、女は夫が別の女性に産ませた娘を養女とする。夫との実質的離婚後、その養女へ執拗な求婚をするのは、息子道綱の上司であった。道綱と女性たちとの贈答歌が多く記されるなか、道綱母の切々とした心情が描かれる。わかりやすい注とこなれた現代語訳を付した文庫の決定版。2には、下巻と巻末和歌を収め、各種索引も充実。
目次
蜻蛉日記・下(年頭の決意;従者と侍女の贈答歌;袍の仕立て直し;兼家、大納言になる ほか)
巻末歌集
本文校訂表
解説(付 蜻蛉日記関係系図・蜻蛉日記略年表・蜻蛉日記関連地図)
索引(和歌初句索引・詠者別和歌索引・人物索引・重要語句索引)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真琴
9
美貌、歌才に恵まれ身分のある男と結婚しながらも、自らを蜻蛉のようだと例え苦しむ道綱母の21年に及ぶ日記。平安貴族女性も嫉妬もするし駆け引きもする。もう少し素直になれたらと思うけれど、そうできないのは彼女のプライドの高さからか。不器用であまり世渡りの上手な方ではないように感じた。2024/04/17
けろ
4
道綱母が自分の気持ちー心痛、嫉妬、憂慮ーを延々と描き続ける。千年前の女性も現代と似たようであるので、これからも残っていく作品だろうが、あまり魅力が感じられない人物である。2019/07/17
くん
1
やっぱり好きになれないかな 私って不幸でしょ?って言われてる感じがして… 筆者がずっと嘆いているから読んでるこっちも気がめいる2011/07/14