内容説明
純文学から、辞典、ロールシャッハテストまであらゆる本をめぐる読書遍歴録。本好き達の飄々とした会話、繊細でユーモラスなイラスト、読んでもいない二十冊以上の本が同時に楽しめる贅沢な一冊。
目次
草の匂いにつつまれて(山吹と山茶花と;「羊たちの沈黙」日記;やっぱりアルジャーノンには花束を? ほか)
午後のお茶会(ステキなタイトル;お父さんは時代小説が大好き。;犬づくし ほか)
ふんわり毛布にくるまって(漱石先生に再会する。;百見は一画にしかず;恐怖は人類の遺産である。 ほか)
著者等紹介
吉野朔実[ヨシノサクミ]
漫画家。『少年は荒野をめざす』をはじめ、登場人物の精神描写を重視した格調高い作品を絶妙に描き、傑作を生みつづけている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
34
時代小説の本では全然ない。吉野さんが巡り会ったいろいろな本についてのコミックエッセイそして対談集。世間は広く、本は無数。ここに紹介された本の中で、私が読んだことがあるのは、実に「平行植物」「妻を帽子とまちがえた男」だけというありさま。もっと私も吉野さんなみに本を読まなくては、と思いました。量じゃなく質もですね。2017/05/30
豆乳くま
25
高校生の時から大ファンの吉野朔実先生の本にまつわるエッセイ。同じ本結構読んでる、か、感激。読んでいない本は皆気になる。読メで大人気のホムホムこと穂村弘氏との対談も面白い。2015/09/15
ぺぱごじら
18
『本の雑誌』で連載されていた(ている、か)、本にまつわるエピソードを見開き2P~4P前後で見せてくれる、とても楽しい漫画家さんです。『吉野朔美劇場』と呼ばれるこのシリーズ、本の雑誌社版を数冊持っていて何度も目を通していたはずなんですが、今日たまたま時間調整で入ったBOOK・OFFで発見、即購入。表題作もそうだが、中々小粋なタイトルが多い。『友人に薦めてもらった本は、つまらないほど面白い』とかね(笑)。そのココロは本の中に…。2012/03/06
さとちん@脊椎オパ3/10参戦
14
とても面白かったです!吉野朔実先生の作品は知的で芸術的で詩的な作風で、なんと言うか高尚なイメージがあって…自分の凡人さを痛感してしまうのについ読んでしまう漫画なんです。今回は本に関するエッセイ漫画で馴染みやすく、お気に入りの一冊になりました。『友人に薦めてもらった本はつまらない程面白い』は成る程です!私も熱弁しあったりするのが大好きだし、解説の人も言ってますがハズレを薦められても『それは薦めてくれたその人を読むことなのだから』以前薦められた平凡(でもないか)エッセイを時間の無駄と思った自分を恥じました笑2013/07/02
ぱんちゃん
10
[再読]本の雑誌社から出ている吉野朔実劇場の文庫本。本にまつわるあれこれを漫画家の吉野さんが色々な側面から紹介していくものです。あれも読みたい、これも読みたいと読むたびに思います。既読の『飛ぶ教室』はこの本で知りました。誇り高く高潔な少年たちの素晴らしい物語でした。実際に読んでから吉野さんの話を読むと二度楽しいです。『平行植物』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『ホットゾーン』は絶対読みたい!といつも思って、思っただけで終わってしまいがち(^_^;)『飛ぶ教室』も10年かかりました。2014/09/21