出版社内容情報
佐藤 正午[サトウ ショウゴ]
著・文・その他
内容説明
「僕」こと鮎川英雄には唯一の才能があった。それは「女を蕩けさせ夢中にさせる」こと。県庁の役人として、熱意はないがそつなく仕事をこなし、複数の女を適宜使いわけて過ごす日々。このまま無難に流れていくかと思えた「僕」の人生は、しかし、叔父・酔助の登場でじわじわと変化しはじめる。「夢と現実の人生を総取っ替えしてもいい」という叔父。いつしか「僕」は叔父とそのニンフェット・鈴村綾とともに無謀な計画に加担することに。果たして「僕」に「大いなる一瞬」は訪れるのか。
著者等紹介
佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部中退。83年、『永遠の1/2』ですばる文学賞を受賞。『ジャンプ』(光文社)が2000年のベストセラーとなり、恋愛小説の書き手としての評価が一層高まった。佐世保市在住
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感想・レビュー
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相田うえお
92
★★☆☆☆22086【取り扱い注意 (佐藤 正午さん)k】何とも言えない雰囲気のストーリーを80%ほど読み進めたあたりから一気に目が離せない状態になりました。いつもの様にどうしようもない男と女が登場し、普通のものさしでは測れそうもない独特の作品に感じます。ラストも、え?ほんとうにこのままでいいのか?大丈夫なのか?と、若干、心配してしまいましたが、凡人とは考え方、生き方が根本的に違うんだろうなぁ〜。と自分を納得させて読了〜!この作家さんは初期の作品よりも最近の作品の方が個人的には好みかな。2022/09/25
ちゅんさん
37
なんかごちゃごちゃしてて今回はあんまり楽しめないかも…と途中までは思ってたのですが中盤以降から一気に面白くなり最後にはしっかり満足してました。やっぱりね佐藤正午作品の会話が好きなんだよなぁ。今回の主人公鮎川は紳士的にした津田伸一って感じでなかなかよかった。“ロリータ”読んでればもっと楽しめただろうな。やっぱり古典・名作は読むべきですね。2020/02/17
ロマンチッカーnao
31
小説巧者佐藤正午さんの上手さがよくわかる一冊。ダメな男に淫乱女にロリータ。どうしようみない人間ばかりの人間喜劇。うまいなぁと思いつつ、そんなことも忘れて最後まで一気に読んでしまいます。いやぁ、佐藤正午さんはほんまにすごい作家さんです。2018/04/04
ゆきらぱ
29
男女の描き方が少しずつ古いかな?舞台は90年代半ば。恋愛至上主義。隔世の感がある。2021/08/11
八百
24
通勤途中にある図書館の分館は蔵書が古くさながら古書店の趣きを醸し出して…で懐かしさも手伝い借りてきたのが性懲りもなくまた正午さんの20年も前の本。それなのについこの間読んだ最新刊の「鳩の撃退法」と内容が全く変わらないのは何故?同じ人が描いているのだから当然と言えば当然なのだがその進化の無さに結構笑えたのは事実。いやそこは小説巧者であるらしい正午さんのことだから進化が無いのではなくきっと最初から高度に完成していたと言うことにしておこう。なんにせよこの独りよがりのハードボイルドはクセになるのですよ、はい2015/05/15