内容説明
高校1年生の時に隣家に棲む男に拉致監禁された奈緒子。1か月にわたって弄ばれ続けた彼女は、男を殺害し辛うじて地獄から生還した。凄絶なトラウマを抱えたまま成長し、現在は不妊治療専門の医師として活躍する奈緒子だが、美貌の女医として評判の彼女のもう1つの顔、それはSMクラブに所属する売れっ子M嬢“セリカ”だった。過去と現在、サディスティックな欲望とマゾヒスティックな願望が交錯する、驚愕の問題作。
著者等紹介
大石圭[オオイシケイ]
1961年、東京生まれ。法政大学文学部卒。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文藝賞佳作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maya(*ᴗˬᴗ)
50
この本を半分ほど読んで、壇蜜が主演しているのをレンタル屋で見つけて先に映像の方を見た。そして、頭でだいたい把握した上で、残りの半分を読んだ。10代の頃に監禁され、強姦され、暴行され、まとめるとハードSM。そして、大人になり不妊治療の医者になり、裏では別人間セリカとして、M嬢をして。。10代の頃の出来事と、医者としての内容とセリカのお仕事とが、交互に書かれていた。セリカの最後のお仕事と、10代の頃の内容がかぶって…:(;゙゚'ω゚'):映像と小説は若干ちがうところもあるけど、なかなかハードで面白かった。2014/04/06
とも
41
「女奴隷は夢を見ない」に続いての大石圭著。 高校生の時にレイプ、監禁を受けた主人公、岬がその体験を強く引き摺ったまま大人になり、不妊治療医として、また副業のM嬢として働く両面から話は進む。M嬢の一面である艶かしい、痛々しいシーンの描写より、治療医として受け持つ患者夫婦の念願の妊娠が駄目になってしまう際の心情が描かれたシーンや末期ガンの母親に対する思いが綴られたシーンが印象的。 2017/08/17
肉嬢★
21
初読みの作家さんでした。この作品はあらすじで惹かれましたが表紙の絵が少しエロいから購入するの恥ずかしかった記憶がある(笑)過去と現在を行き来した物語になっていたけど自分の理解力が足りないせいか⋯最後の方は読み返さないと展開がよく分からなくなった(笑)殺人はどんな理由があろうと、してはいけないけど奈緒子にとってやっと終止符を打って新たな人生を送れるんだなとも思うと、ちょっと切ないし同情もした。けどSMの描写は苦手で、うっ…ってなりながら読んだ。2023/08/16
KAN
20
いったい何だったんだろうというのが正直な感想です。すでに壊れてたってことですかね。セリカとしてしか生きていけないんでしょうね。2013/09/01
しろ
14
☆4 監禁凌辱というトラウマによりSMに目覚めた女の話だが、エロもグロもSMもすべてが中途半端というか、そっちに振れている作品ではなかった。凌辱されてしまったトラウマが少女にどういう影響を与えたのか、SMの心情はどこからきているのか、をサスペンス風に暴いていく悲劇的作品だった。2013/01/27