内容説明
昭和3年、町はずれに住んでいた60歳過ぎの女性・片岡直が殺された。行きずりの強盗が犯人だろうと思われたが、事件の真相は直の恐ろしい過去に隠されていた―(「絵馬」より)。そのほか当時の交友関係をベースにした「艶書御用心」「素敵なステッキの話」、外国を舞台とした「夜読むべからず」「喘ぎ泣く死美人」、また新たに単行本未収録作品「燈台岩の死体」「甲蟲の指輪」を加えた全18作品を掲載。幻の小説がよみがえる。
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902年、神戸市に生まれる。旧制大阪薬専卒。26年、博文館に入社。「新青年」「探偵小説」の編集長を歴任し32年に退社後、文筆活動に入る。信州での療養、岡山での疎開生活を経て、戦後は探偵小説専門誌「宝石」に、『本陣殺人事件』(第1回探偵作家クラブ賞長篇賞)などの名作を次々と発表。76年、映画「犬神家の一族」で爆発的横溝ブームが到来。今もなお多くの読者の支持を得ている。81年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
244
★★★☆☆ 横溝正史の初期作品を集めた短編集。 資料的な意味合いが強く、余程の横溝ファン以外は読む必要ないと思うが割と面白い話も混じっていた。 ショート・ショートの『首吊り三代記』なんかは結構好きなブラックユーモアだ。全体的にユーモア小説の比率が高いかも。 ちなみに『憑かれた女』は後に由利先生を探偵役としてリライトされる。そっちを先に読んでたのでデジャブを感じた(笑)2021/03/26
佳乃
31
未収録短編集。短いながらもやっぱりいい。女の狂気がいつもながら凄い。2015/10/24
坂城 弥生
28
短編集。 小説ってより散文という印象で、短くて感想を持つような話も無かった。2019/05/12
空猫
27
タイトルから怖い話かと思ったが、正体の分からない怪談ではなく原因が解明されるミステリ。笑える小噺もあり、横溝氏の新たな面を見られる短編集。単行本未収録作品だからと言って掘り出し物とは限らないか。[夜読むべからず]はウィアード・テールズ[片手片足のない骸骨]の翻訳物で、但し書きもなく横溝作品として掲載するのは如何なものか。氏の外人、女性蔑視がやはりどうにも好きにはなれないので辛口になっちゃいました。2017/06/04
歩月るな
18
レアな作品集。怪奇趣味や幻想味溢れる小話など軽妙洒脱な雰囲気の短編集となっているが、聞き伝えた事を書き記すスタイルの作品も多く「浅原さん」のお話も入っている。探偵ものと言うか本来の警察の地道な捜査と慧眼によって事件がひらかれていくのが心地よく、落ちもほほえましい。署長さんとのやりとりでの君の想像じゃないか、みたいな所がちょっと刑事ドラマっぽい。小話の中には当時の作家さんたちの絡みや編集者仲間からヒントを得たようなお話もあるようで、業界ネタを書いて繋ぐ的な話作りは横溝氏からすでに行っていたと思うと素敵な妙。2017/03/09
-
- 和書
- 鬼哭の銃弾 双葉文庫
-
- 電子書籍
- ニーナさんの魔法生活(1) メテオCO…