内容説明
―口笛の聞こえる夜、おれは死ぬ―若き当主が謎の死をとげてから、幽霊屋敷となった広壮な廃屋に、四人の少年少女が忍びこんだ。かれらが廃屋の光と闇のむこうでみたものが、それぞれの運命を変えてゆく。ふたりが消えて、ふたりが残った。生き残った少女が美しく成長したとき、四人の運命がふたたび交差し、凄惨な復讐がはじまる。ファンタジック・ホラーの傑作。
著者等紹介
図子慧[ズシケイ]
1986年、第8回コバルト・ノベル大賞入選後、恋愛小説、学園小説の分野で硬質な感性を生かした傑作を次々と発表する。ミステリー、SF、ホラーへの深い造詣を生かした作品も多い
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yashico
14
とある栄えた旧家の没落と悪魔の契約。土着的、神話的な。諸星大二郎の暗黒神話を思い出した。それをもっと読みやすくティーン向けにしたような。題材が好きなのであまり盛り上がりはないのだけど楽しく読めた。「何でも願いを叶えてあげる」そう言われて即座にno!と言えるだろうか。晶彦と真魚のやり取りが可愛くて和んだ。2020/03/28
Yu。
6
戦後まで繁栄を続けてきたある一族の没落と、その裏にある“悪魔の契約”。そして時を経て幽霊屋敷と化した廃屋に探検を試みた4人の少年少女達の体験が今後の運命を左右する土俗的幻想ホラー。非常にもったいない。。後半までの怪奇色含んだ青春群像はなかなか興味深く楽しめたのに、終盤からラストにかけての強引さは、読み手を混乱させヘトヘトにさせてしまうというサプライズ付き(キーッ!!) 元々の中編を長編用に加筆訂正したようなのですが… (-_-)2014/06/22
そのぼん
4
ファンタジックホラーとありますが、ただただ気味悪かった気がします。日本独特の風土もあってか、湿り気を帯びたような怖さがありました。青春もかけあわされていたのが、さらに独特の空気感になったと思います。2011/09/10
はつこ
2
ホラー部分より、幼馴染4人のそれぞれの運命が描かれていて、そちらのほうがせつなく、面白いと思った。 2012/11/22
桃栗
2
登場人物それぞれに味があって、特に典型的なヒロインになりそうな真魚も嫌味になり過ぎず良かった。ホラーの部分はありがちな廃屋物だが不明瞭なまま話が進んでいく所に不気味さを感じ最後まで飽きずに読めた。信雪と辻、響子、和雄の悲しさに感情移入して読み進めるのが辛い所もあった。2012/02/01
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