出版社内容情報
あの倫太郎が中学生になった。不登校、暴力・・・、厳しい子供のいまをじっくりかつ朗らかに描き出す必読の小説。
内容説明
小学校卒業、そして中学校進学を間近に控えた倫太郎たち。倫太郎は中学校の説明会をすっぽかしたり、ミツルは「校則で決められてる制服は着ない。丸刈りにもしない」と宣言したりと、入学式の前から倫太郎たちの名前は学校じゅうに知れ渡っていた。これまで、理解ある人々に囲まれてのびのび育ってきた倫太郎たちだが、中学校という新しい環境の中で、彼らはどう変わっていくのか?待望のシリーズ第四巻。
著者等紹介
灰谷健次郎[ハイタニケンジロウ]
1934年、兵庫県神戸市に生まれる。大阪学芸大学卒。17年間の教師生活の後、沖縄・アジアを放浪。その後作家活動に専念し、1974年に『兎の眼』を発表、多くの読者の共感を得る。1979年、路傍の石文学賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
49
倫太郎たちもは中学生。考える力が備わっている倫太郎たちは一段とパワーアップ。屁理屈といってしまえばそこで終わってしまうが、なぜ?どうして?だから?と様々なことを考え、人の話を鵜呑みにせず行動する。時には敵を作ることにもなるが、倫太郎たちを理解しようとする人たちもまた新たに増えていく。それが成長ということかも。頭ごなしに押し付けるのは如何なものか。されど、どこかでルールを設けなければというのもわかる。大人の考え、子供の気持ち。永遠の課題でもあるように思う。倫太郎たちはどんな大人になるのか。とても楽しみだ。2019/09/23
Miyoshi Hirotaka
34
少林寺拳法は護身術だが、最良の策は危きに近寄らないこと。技は磨かなければならないが、磨いた技は使わないことが最善だ。正義とは相手に非があっても自分と他人の行く末を考えること。自立とは決意して行動した結果について責任を取ること。赤ん坊が歩き始めるように人は自立への本能を持っている。甘やかされるだけの心地よい環境が理想卿ではないと知っているからだ。精神や魂の自立は生涯の課題。それは、他人や社会との関わりの中で自己を厳しく見つめること。個人の自由が組織や社会への責任や義務とバランスしている状態が理想境。2014/02/16
sakadonohito
19
小学校高学年から中学1年まで。ちょっとずつ読んでいたからよく分からなくなった。沢山の良い知り合いがいるおかげで不良に絡まれても同じように染まらないで済んだ。が、今後不良にまとわりつかれる問題をどうしていくのか。独善的な教員にどう対応していくのか。親の悩みの方にどちらかと言うと関心がいってしまう。2022/12/01
たぬ
15
☆4.5 中1がメイン。この巻含め響くセリフが多いんだ。「頭にくることはいっぱいあったけど恨む気持ちはない」「敬意を忘れるな」「赤ちゃんは親のどんな小さな声にも反応して安心するもの」等々。時代設定は70年代ぽいけどいきなり殴りつけるような教師がいるのが普通のことだったの?倫太郎たちの学校だけ? すぐ怒鳴る奴ってダサいし人間が小さいよな。殿村さんのからくり魚を私も見たい。遊びたい。2024/11/02
恵美
6
教師の駄目さにほとほとうんざり。子どもたちのほうがどれだけ人間味あふれる正常な考えの持ち主か思い知らされる。自分自身の学生時代を思い出しても同じかもしれない。本当に生徒を思い関わってくれた恩師と言えるような先生はごくわずかだった。のびのび純粋に成長している子どもたちの邪魔をしないでほしい。が、偉そうなことは言えない。私自身も親としてここに出てくる教師と同じことを言っていたことを思い出す。とても恥ずかしい。中学に入学して話は進むが、非行グループと頭の硬い教師に負けるな、倫太郎!2013/05/29
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- 和書
- 続「考える力」をつける本