角川文庫<br> すべての怒りは水のごとくに

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角川文庫
すべての怒りは水のごとくに

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043520237
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

わたしが受けた一つの衝撃から語りはじめたい。三年間中学校に行かなかった少女からの手紙がわたしに届いた。少女の文章には一個人の体験にとどまらず、「教育」というもの、さらには人類の行く末までに至る問題が含まれていたのだ。怒りを怒りとしてでなく、すべての怒りを海に注ぐ水のごとくに、未来を見据えて語ったその静けさが、私たちの胸を深く、そしてつよくたたく。表題作の他、子供の詩、島での暮らし、北朝鮮訪問、人生で巡り会った人たち、あれこれの本などを巡る灰谷健次郎の最新エッセイ集。子どもの心、いのちの行方を真摯に見つめ、深い示唆に満ちた一冊。

目次

すべての怒りは水のごとくに―ある少女の声
回転木馬
とても困った、ある日々のこと
わたしの中の水上勉さん
優しい人びと
映画を見るのが怖かった
島で暮らす
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)訪問の記
本あれこれ
希望への橋―わたしの子ども原論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BB

7
兎の眼、からの流れで昔読んだ一冊。

うりぼう

3
覆水本に返らず。すべては「全て」ではない。2001/08/23

あんず

2
灰谷さんのエッセイ2冊目。なんか灰谷さんの言葉は、現代に毒された自分には難しいことばかり書かれていて、自分が駄目なやつだなぁと思ってしまう。天の瞳が読みたくなった。今度見つけたら買おう2019/04/24

thugu

1
信念というものを強く感じた一冊。以下、印象に残った箇所。〈生まれてくる人はみな、たった3尺の足はばの人生を生きるしかないのです〉〈そのときの絶望感は、即、死を賜りたい、とでもいうような思いである〉〈これからどうなるのか、それは誰にも分からない。が、今、そうあることが、その人の全人格なのである〉〈子どもたちから学んでそれを返してやる―それが僕たちの仕事なんだ〉〈こちらが一方的に与えるのではなく、相手が何を求めているかを問うのである。この試行錯誤こそ、親心に通じるのではないか〉2020/11/29

あんこ

1
なんて謙虚な方なんだろうか。彼の穏やかな遺書を先に拝見しており、遺書から遡って辿り着いたエッセイ。灰谷さんの死生観に興味があり「死について」の一節をもうすこし掘り下げて知りたい。2020/05/03

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