内容説明
人生には、だれもが持つことのできる「黄金時間」がある―。少年時代の「物の焦げる匂い」の記憶、何もしない猫という存在…。一見、無用に見えるものの根本にある美しさ、貴さを綴る「無用な時間は黄金時間」。日本人の心の大本を詩歌の世界に見いだす「詩歌の望遠鏡で星を見る」。ものの根本へとさかのぼって作品を作りだす芸術家たちの、魅力あふれる人と作品を語る「物の命を美に転じる」。三つの章に、心豊かな人生への秘密が散りばめられた、おとなのためのエッセイ集。
目次
無用な時間は黄金時間(冬の香り;不思議;占い二つ ほか)
詩歌の望遠鏡で星を見る(年をとるそれはおのが青春を;百人一首は百人のもの;紋切り型また楽しからずや ほか)
物の命を美に転じる(岡鹿之助回想;岡鹿之助の「遊蝶花」と「たき火」;宗広力三の人と染織 ほか)
著者等紹介
大岡信[オオオカマコト]
1931年、静岡県三島生まれ。東京大学国文学科卒業。詩人、批評家。1971年、『紀貫之』で第23回読売文学賞、1980年、「折々のうた」で菊池寛賞、1995年、第51回恩賜賞・日本芸術院賞、1996年、ストルーガ詩祭(マケドニア)で大賞「金冠賞」、1996年度朝日賞受賞。日本芸術院会員。詩集『記憶と現在』『春 少女に』『水府』『地上楽園の午後』ほか、著書『岡倉天心』『子規・虚子』『うたげと狐心』『楸邨・龍太』『詩をよむ鍵』『光のくだもの』ほか
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