内容説明
もう一人の自分に出会ったものは、近いうちに必ず命を落とす―。洋の東西を問わず、「自分の分身」にまつわる物語は世界各地で語り継がれている。現代日本を舞台にしたドッペルゲンガー譚の中から、選りすぐりの作品を収録した、オリジナル・アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
13
もうひとりのじぶんが登場する10編を集めたアンソロジー。筒井作品は“もうひとり”では済まずに二人、三人…と逸脱する「チューリップ・チューリップ」ですけどね。この中では小池真理子「ディオリッシモ」がベストかな。けっこうあざとい感じで泣かせにくる作品で、何だかんだ言ってやっぱり物語としてはベタが強いんじゃよ。赤川次郎「忘れられた姉妹」はラストがよくわからなかった。ともあれ赤川次郎の小説を読んだのは生涯初ではないか。ほか、都筑道夫や皆川博子作品も含む。2024/03/25
BUBI
13
ドッペルゲンガーものといえば、最近、読んだ、法条遥の「バイロケーション」が秀逸ですが、本書は比較的古いオーソドックスなドッペルゲンガーSFの短編集です。どの短編もドッペルゲンガーに会うとろくなことにならない。何篇かは男女関係のドロドロした話で、もう一人の自分というと不倫や愛人という発想となじみやすいのかしら。筒井康隆だけはやはり異色で発想がぶっとんでましたが。藤子不二雄のパーマンが私は好きで、あれに出てくるコピーロボットももう一人の自分。あんなふうにうまくもう一人の自分を操る話もあってもいいのになぁ。2016/08/13
ろびん
4
筒井康隆の短編があって嬉しかったです。全体的にホラーって感じでは無かったですね……。2017/06/02
ライチ
3
ドッペルゲンガーをテーマにした短編小説。そんなテーマなので全てホラーだと思ったが、実際は笑えるものや感動的なものもあった。個人的には小池真理子さんのディオリッシモが一番心に響いた。2015/05/25
りらこ
3
なかなか面白く読みましたが、30年以上も前の作品もあったりしてさすがに時代を感じました。ドッペルゲンガー、自分の分身に遭遇したら・・・やっぱり怖いですよね(ーー;)2013/08/14