出版社内容情報
沖縄現代史の闇を抉る入魂作!!アメリカのスパイとして働く尚友。一方で、幼馴染みの比嘉正信、やくざのマルコウと計画していた米軍基地襲撃のときが迫ろうとしていた。衝撃のクライマックス!
馳 星周[ハセ セイシュウ]
著・文・その他
内容説明
反米反基地活動の裏でアメリカ人のスパイとして働く尚友は、罪の意識に苛まれながらも、施設でともに育った混血の美女、照屋仁美との関係にのめり込む。一方、幼なじみの比嘉政信、やくざのマルコウと組んで密かに進めていたアメリカ軍の武器調達にも成功し、いよいよ基地の核兵器収容施設襲撃のときが迫ろうとしていた―。返還前夜の沖縄の過酷な現実に斬り込む傑作小説、待望の文庫化。
著者等紹介
馳星周[ハセセイシュウ]
1965年、北海道生まれ。横浜市立大学文理学部卒業。96年、『不夜城』でデビュー。翌年、同作品で第18回吉川英治文学新人賞を、98年、『鎮魂歌―不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞を、99年、『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
58
この小説のクライマックスは、下の中盤、仁美の襲撃場面だと思う。コザ暴動に取材した作品で、主要人物はフィクションだとは思うけど、その当時の沖縄、人の命や安全の保証されない、不公平で不平等な行政、植民地だったんだな…歴史を曲げられない以上、ラストは残念だけど、それでもまがいなき傑作だと思う2021/12/05
koba
29
★★☆☆☆2019/03/30
タナー
12
馳氏の作品の中では、その分厚さと題材の印象から、なかなか手が出せずにいた作品。ところが!!やはりこの作家はスゴ過ぎる。読み始めたらホント止まんなくなっちまうくらいにその物語に圧倒されてしまった。自分が日本人でありながら、この沖縄の歴史と存在、米軍の支配下にあったこの地に関して何と無知だったことか!馳氏ならではのスピード感とキレのある語り口とストーリー展開に、見事に惹き込まれていった。登場人物それぞれの存在感もスゴい。ラストはどうなっちゃうのかとハラハラしていたが、またまた見事に裏切られた。魂が震えた。2017/12/09
みどり
7
ある程度結果は見えていたけれど、本当に救いがなさすぎる。好物の話ではあるけれど。 ちょっと心がささくれる。この、時代の沖縄を生身で知っているのもあると思うけれど。2021/09/09
泥水 叫狼
7
史実をベースにしフィクションを乗せ、アンダードッグ達が権力に立ち向かう展開は垣根涼介の「ワイルドソウル」を思い起こさせました。どちらも圧倒的な取材量に驚かさせますが、あちらがエンターテインメントに徹しているのに対してこちらはノワール系です。後半はスピード感を重視したせいか若干粗さが目立つものの 、主人公たちの底辺にある怒りを1400頁維持させ、作品の緊張感を終いまで切らせなかったことに敬意を。2013/05/22
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