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角川文庫
雨と夢のあとに

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  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043437085
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

蝶の撮影で海外に出かけたきり、10日間も音信不通だった写真家の父が帰ってきた。ひとりで留守番していた12歳の少女・雨は喜びも束の間、右手に火傷を負ってしまう。手当てをしてくれたのは隣室の女性・暁子だった。父との楽しい毎日が戻ったかに見えたが、雨の周りでは奇怪な出来事が次々と起こる。そして、突然現れた実の母親が、雨に衝撃の事実を告げる―。精緻な筆致で家族とは何かを問う幻想ホラー小説。

著者等紹介

柳美里[ユウミリ]
1968年、神奈川県生まれ。86年、劇団「青春五月党」を結成。93年、『魚の祭』で岸田國士戯曲賞を受賞。96年、『フルハウス』で野間文芸新人賞と泉鏡花文学賞を受賞。翌年、『家族シネマ』で芥川賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オリーブ子

77
夫からバトンのように渡された。ふたりでキャラメルボックスの舞台の方を先にDVDで観て、原作が読みたくなった作品。感想はイマイチ。 舞台は、ちゃんとキャラメルボックステイストに仕上がっていて。雨役の福田麻由子ちゃんもすごく良くて。いい作品だったんだけどな。 柳美里さんは初読。1作だけじゃわからないけど、好きな部分も感じたけど、やっぱり合わないかな。 キャラメルボックスの舞台にはない絶望感、孤独感。そういうもの、嫌いではないけどなんだか肌に合わないと感じた。2016/12/19

あつひめ

40
物語の展開は読めていたけど、それぞれの思いが・・・切なくて。遣り残した頃、思いを遺したまま去る辛さ。雨の音に混じって心の忍び泣きが聞こえる感じ。朝晴、雨・・・キレイナ名前なのになぜか寂しさも含んでいる。柳さんの作品は初読みだけど、文字に色や音をのせて人の気持ちを感じさせる人のような気がした。雨が小学生らしくなくて・・・とても大人びているから・・・。そういう子ほど、たくさんの物を抱えてしまって誰にも持ってもらわないで一人で心の箱に押し込めちゃうのかもしれないな・・・。作品の中の写真が気に入った。2012/02/19

SAT(M)

7
以前『タイル』を読んでドロドロした気味悪さを書くのが巧みな作家さんだなぁと思った記憶があり、本作も幻想ホラーと銘打たれていたので"またあの気味悪さを味わえる"と手にとったのですが…、綺麗な少女文学だったとは…。砕けた口調でポンポンと話が飛躍するモノローグ文体には若干てこずりましたが、普段はヒネクレた小説しか読んでいない自分でも、終盤に向けての何も無くなってゆく虚脱感のようなものには心を打たれた…。2016/09/26

やまおり

6
キャラメルボックスの舞台の原作と耳にして。ホラー小説の分類だけど、そこまでオドロオドロはしてはなく。良いスパイスとなってたなーっと。非常に残念なことに、舞台は観る機会がなかったのですが、原作よりもさらに父娘の描写を大切にしてるらしいので、再演されるときは観て切なさに駆られたいです。2013/08/14

tom

5
表紙の優しい雰囲気に反してホラーな話だった。主人公の少女の口調(○○なんですよ、○○ですよね?等)に終始違和感があったが、妙に達観した現代っ子ということを表してるのだろうか。放任なようで人一倍娘を想う父の姿には胸が締め付けられる思いがした。最後の観覧車の場面はあまりにもかなしい。2017/05/27

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