出版社内容情報
家族ってなんだろう。社会の最小単位、万人のルーツでもある家族という名の病とぶつかり合い。それでも、今そこにある人々の心。淡々とした語りかけが深い共感を呼ぶ、芥川賞作家によるエッセイ集。家族ってなんだろう。社会の最小単位、万人のルーツでもある家族という名の病とぶつかり合い。それでも、今そこにある人々の心。淡々とした語りかけが深い共感を呼ぶ、芥川賞作家によるエッセイ集。
柳 美里[ユウ ミリ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
27
【図書館の本】この本はフィクションなのかノンフィクションなのかと何度も読んでいる最中に思っては、「プロローグ」に書いてあるだろうと最初のページをめくってみたが、そんなものは見つからなかった。その答えは最後になってようやくわかったのであるが。そして、最後の方になって、「私」という主格がナラティブに出始めて僕は何とも不思議な気持ちにさえなった。2013/10/25
BB
6
柳美里ハマり時代に
あなた
6
柳美里にとって「家族」という似非共同体ほどイタイものはなかったのだろう。作家とは文章をつむぐことでみずからのアイデンティティを編成=変成していくひとのことだ、だから彼女も家族を蒐集し、家族を編みあげることで彼女自身のあらたな作家主体へと切断=生成していこうとしたに違いない。成否はともかくとして2009/07/14
hanaoka
5
決して普通の家族ではない・・・からこそ本になるのかもしれないが、71話もよく集めたもんだなぁ・・・と感心します。でも、昆虫の標本作成と一緒で、珍しくもない普通のものでも、並べる、注釈を与える人間によってその素材はいかようにも変化するのかもしれない・・・と考えると、素材以上に、独特で少し風変りともいえるような事実の捉え方をする作者の感性が、71の家族の物語を異様に感じさせているだけなのかもしれない。2010/07/21
mocchan
5
どこまで実話か分からないけど、よくここまで不幸な家族ネタが集まったもんだと感心します。決して悪い意味でなく…。2008/12/11