内容説明
ミステリに生まれミステリに生きる作家・北村薫が、本格ミステリから熊の撃退法、果ては魚の骨まで、森羅万象にちりばめられた謎を縦横無尽に解きまくる。読み終えると、世界が何倍も豊かになっている、濃くて美味しいエッセイ集。北村作品でおなじみの謎ネコ画伯、大野隆司氏との語り下ろし巻末対談つき。
目次
万華鏡とミステリ
では、まずお茶を
『瓶詰地獄』とその“対策”そして―
忘れえぬ名犯人
『湖畔』における愛の生活とは
『ハムレット』をめぐって
文殊の知恵
名探偵たちとの遭遇
男の中の男
おたまりこぼしがない
日本、チャチャチャ
思わぬところから叔母の話になる
原典と新版
“73”の謎
仕事の鬼
三挺の駕篭
蜜柑の香り
ミステリのミス
あとがき対談 猫がミステリか、ミステリが猫か
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業。91年『夜の蝉』で第44回日本推理作家協会賞、2006年『ニッポン硬貨の謎』で第6回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)、09年『鷺と雪』で第141回直木賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
34
2010/3/29 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。 2013/5/13〜5/15 北村氏によるミステリ講義、と言った内容。古典的な作品から自作も含めて、ミステリ周辺の事柄について論評。残念ながら取りあげられた作品をほとんど読んでないので、イマイチ楽しめなかった。2013/05/15
かしこ
23
図書館で偶然見つけました。北村薫さんは、書き手とともに読み手としても素晴らしいと思うのです。私もミステリー好きと自負しておりますが、まだまだだなと思わされました。たとえば、パッセンジャー。探してみたいと思った私は男性ですかね。ホームズのように42通り知っていると言いたいですもの。筆者のあくなき探求心を感じました。2013/05/09
いずむ
15
「国語の教科書に載ればいいのに」。それがボクの感想。"ミステリ"というジャンルに限定されているにしても、往時の潮流を辿りながら、どんな文章のどんな感動に突き動かされ、どんな出会いへと結びついていくのか。そんな言葉のチカラを感じることが、何より大切な"国語学習"だと思う。小説を読んで「面白い」「共有したい」と思うキモチ。"共有"はすれども"共感"はしない、そんな思いが生む議論やきづき。今、「面白そうな本」はたくさんあるけれど、ボクはこんな「本を読むことの面白さにきづかせてくれる本」を、もっと読みたいと思う。2015/05/31
ジュール リブレ
10
北村薫のミステリー紹介。単なる書評にとどまらず、これ自体が、楽しい読み物に仕上がってる。言葉遊びのクイズがでたり。2011/07/03
雨衣
9
ミステリーの見巧者である北村さんの視点はやはり勉強になることばかりだった。謎に対して、というよりもあらゆることを繋げて転換する発想のとびかたに何度、膝を打ったか分からない。北村さんの本を読めば読むほどに、凄まじく力のある作家であるということを認識させられる。自分のミステリーの読み浅さ故に飛ばしてしまったページもあったが、いつかまた、元の話を理解してから本を開きたいと思う。この本からもらった気づきは、ミステリーの万華鏡の色鮮やかさは読み手の世界(視界)の豊かさにも因るということ。色鮮やかにする努力をしたい。2014/03/01
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- 和書
- 定本夢野久作全集 〈5〉