角川文庫<br> 俺は鰯

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角川文庫
俺は鰯

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  • サイズ 文庫判/ページ数 534p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043430031
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

日々自分を酷使していた。休日は惰眠をむさぼるか、洗濯でつぶれる。十年間勤めた会社を高城はあっさり辞めた。池袋にある性風俗の店で高城は慧敏と名乗る女性に出会い、恋をした。デートの日、約束の時間に現れたのは三人の男達だった。高城は滅茶苦茶になるまで彼らに殴られた。そして慧敏が姿を消した。慧敏の行方を知る手掛りは新宿の台湾バーと日本橋の古美術商『蒼龍窟』―。平凡という名の仮面を脱ぎ捨てた男が幻の陶器と謎の美女を求めて命を掛ける。東京―台湾を舞台に壮大なスケールで展開する傑作冒険小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りんご

40
「傑作冒険小説」と帯にあります。私のイメージする冒険はちょっと違うんだけどなあ、と読み進めます。読み終え、思わず笑います「んふふふ」。読後感はまさに冒険小説。冴えないサラリーマン時代の描写、陶器の説明、台湾の歴史など結構まどろっこしいが、そういう本です、辛抱して読んで。暴力、性描写も細やかwオスの臭いがムンムンとしますねえ。「リンゴが出てくる」と噂を聞き(可愛いリンゴちゃんが色仕掛けでもするのかしら?)と思いきや、毒リンゴ部隊の秘密工作員、ゴリゴリの♂だったわ。2022/07/11

いわし

39
「またつまらぬものを読んでしまった…」という名言を残して大海原へと逃げ込もうと思っていたのだけど、予想外に面白くまんまと釣り上げられてしまって今まな板の上にいます、いわしです。台湾人のSM穣との浣腸プレイで恋に落ちたと思ったら、中国陶器をめぐって日本・中国・台湾の歴史や文化を掻き分けながら、リンゴの恐怖が鰯へと迫り来るハードな冒険活劇。僕も作中のサラリーマンと同じように、太った豚にはなりたくないし、痩せたソクラテスにはなれそうもない。俺は鰯だ、鰯でいい。「鰯君とデートね」という台詞に思わずときめいたから。2022/06/17

CAN

6
またハードカバーが無くなっていて、文庫で再読。やはり日本の冒険小説の最高傑作の一つと認識。隣国なのに日本では紹介されていない台湾の近代史の解説本としても、中国(は語弊があるが)の美術品の歴史もよくわかる面白本。実は読んだときは主人公と同世代、『ヤマなし、オチなし、イミなし』のサラリーマン人生・・・めちゃめちゃ同感した。で読んでから1年後に、熱気を求めて台北に行き、そこから俺のアジア放浪が始まったかなあ。人生をリセット、あるいはちょっとの冒険をしてみたい人は読むべし。2013/12/17

大川 宏

1
話の進み方、場面展開に回想が多く入り時間軸が行き来して解りづらく、話の方向がつかめない。よってドライブ感がない。悪役に深みがまったく無く、これではただの荒くれ、乱暴者にしかなってない。良いテーマなので残念。作家として未熟の時の作という感じ。2011/02/05

太鼓

1
男らしいタイトルに目を引かれ。サラリーマンの悲哀。2014/06/09

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