出版社内容情報
問う―恥なき国の恥なき時代に、「人間」でありつづけることは可能か。脳出血、そして大腸癌と、ある日突然、二重の災厄に見舞われた著者が、恥辱にまみれた「憲法」「マスメディア」「言葉」「記憶」……を捨て身で書き抜く、思索の極限。いま、私たちは何を考えるべきなのか!
辺見 庸[ヘンミ ヨウ]
著・文・その他
高橋デザイン室[タカハシデザインシツ]
著・文・その他
内容説明
国家は人の内面に平気で入りこみ、資本、市場、マスメディアと情報消費者が共犯関係を結ぶ。日常のなにげないルーティンを養分にして今風のファシズムが蔓延する現代。そこに拭っても拭いきれない罪や恥のにおいを嗅ぎつける著者が、屍臭に満ちた薄暗がりの内奥に眼をこらし、躰のすみずみまで広がる恥辱の根源を問いただす。抗いがたい死の足音を聞きながら、突きあげる衝迫にかられてなし得た思索の極限。
目次
炎熱の広場にて―痛み、ないしただ見ることの汚辱
口中の闇あるいは罪と恥辱について
邂逅―紅紫色の木槿のかげ
名残の桜、流れる花
書く場と時間と死―『自分自身への審問』の場合
一犬虚に吠え、万犬それに倣う―小泉劇場と観客の五年間
いまここに在ることの恥―諾うことのできぬもの
著者等紹介
辺見庸[ヘンミヨウ]
作家。1944年、宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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