内容説明
九・十一テロ、アフガン報復戦争、イラク侵略戦争、北朝鮮をめぐる危機…とつづく大激動を、「私はブッシュの敵」と最も早くから宣言した不羈の表現者・辺見庸が、どこまでも人間的、内面的、根源的に語り抜く。世界中に荒れ狂う暴力にどう対処すればいいのか、国家が偽装する風景の底をどう見とおすか、「実時間」における歴史判断はどうあるべきか―等々、“完全無秩序時代”を真に生きるための揺るぎない魂のテキスト。書き下ろしと最新発言を収録した特別増補版。
目次
1 私はブッシュの敵である
2 この汚い報復戦争に反対する
3 人間はどこまで非人間的になれるのか
4 決壊した民主主義の堤防
5 私たちはなにを見なかったのか
6 実時間における作家の時代認識について
7 視えない像、聞こえない音
著者等紹介
辺見庸[ヘンミヨウ]
作家。1944年、宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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クッシー
3
ブッシュっていつの時代だよ、と思われるかもしれない(かくいう私もそう思った)。だが世の中どうだろうか。イラク戦争の時よりも混沌としている。動物を殺処分するのに動物愛護センター、サラ金は消費者金融、大量解雇をリストラと、名前で誤魔化している、の部分はあーなるほどと。どれだけ言葉に鈍感になっているのだろうとハッとした。「語ろうとして語り得ないことがたくさんあります。」という文章があった。文学っていうのはつまりそういう作業なのだと認識。共同体ではなく「個」に立ち返ること。辺見さんのメッセージが深く突き刺さる。2022/10/05
takao
1
ふむ2024/11/08
sansirou
0
イラク戦争の圧倒的違法性を告発するだけでなく、近年の世の中の動きについて、戦う言論を実践している。その範囲は死刑制度まで及ぶが、自分もまた時代の中で、誤る可能性を自覚しながら、「抗暴」と言う言葉を使って、反対の意思を表明し続ける。その姿勢に感銘を受けた2016/11/24
ルヴナン
0
純粋で素朴、愚かしくも無力。優しさに縋ったとしても何も救えはしない。夢見、祈り、殺されろ。2014/11/25
i-O
0
おもろ2009/03/07
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