内容説明
物語の力、科学の力を借りれば、未知の世界を自在に感じ、驚き、楽しむことができる。そう、「小説と科学」はいわば心のタイムマシンなのだ。『パラサイト・イブ』を生んだ瀬名秀明が科学(SCIENCE)、教育(EDUCATION)、小説(NOVEL)、そしてそれらを実践する技術(ART)について実体験を交えて、高校生のためにわかりやすく面白く語り下ろしたSENAセミナー。「この本がなければいまの私はなかった」と語った愛着の書『小説と科学』に第二部を追加。
目次
第1部 岩波高校生セミナー・小説と科学(細胞内社会の主役を描く;「文系」と「理系」/「作家」と「研究者」;想像力と創造力)
第2部 ハートのタイムマシン(二一世紀の小説と科学;対談・毛利衛×瀬名秀明「科学と文学のリアリティ」)
著者等紹介
瀬名秀明[セナヒデアキ]
1968年、静岡県生まれ。東北大学大学院薬学研究科(博士課程)在学中の95年『パラサイト・イブ』で日本ホラー小説大賞を受賞し作家デビュー
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感想・レビュー
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けい
59
瀬名さんが高校生を向けに開かれたセミナーに講師として招かれた内容が加筆・修正されて文庫化された第一部と学生時代のエピソードを綴ったエッセイや毛利衛さんとの対談を綴った物で構成され、もう少し上の年代までのメッセージを記した「ハートのタイムマシン」との二部構成になっています。理系と文系というテーマを元に展開する瀬名さんの「好きなことをやれ」というメッセージはやはり真理かなと思います。2014/06/22
浦安さん
5
2019年の55冊目は瀬名秀明先生の「ハートのタイムマシン!」読了。 自伝的ノンフィクション小説です。 「パラサイトイヴ」は如何にして生まれたか?ミトコンドリアとは? 理系と文系、二足のわらじ作家と研究者、 小松左京先生の小説を読んでみたくなりました。 ノンフィクション小説ってやっぱり苦手でした。2019/04/02
マヌヌ2号
4
瀬名秀明氏が高校生に対して行ったセミナーを文章に起こしたものに、3年後の彼が補完として書き下ろしたセミナーの「続き」を加え、その他にも彼の対談、コラムやエッセイを収録した、作家・瀬名秀明が詰まった1冊。2002年までに書かれた彼の作品と、メッセージや内容が重複することはどうしてもあったのだけれど、むしろその重複から、彼の小説の書き方や、興味の変遷、学問へのスタンスが映し出されていくような感じがして楽しめました。この本を読んで改めて思ったのだけど、本当に科学に、そして小説に真摯な作家だよね、この人。尊敬する2019/10/14
YOU
1
10年ぐらい前に読んで,再読したくなって探して発見.タイトルさえ忘れていたので苦労しました.理系・文系の考察が印象的.10年経ち立場も変わって受け止め方がずいぶん変わりました.また10年後に読もう.2015/08/20
黒蜜
0
面白かったです。いろいろためになりますね。小説の書き方的な部分もあるのですが、やはりキモは文系と理系についての考察ではないかと。2014/11/28