出版社内容情報
元東京都監察医務院長 医学博士、上野正彦氏が死体検証エピソードをつづる、大人気「死体シリーズ」。砒素、青酸、農薬・・・。今回は「毒物」に焦点を当て、古今東西のさまざまな毒死を検証する。
内容説明
「毒殺が病死として葬られるのは、もうたくさんだ!」変死体解剖34年の経験をもつ“死体の権威”上野正彦が、途絶えることのない毒殺事件に怒りの筆をとった。砒素、青酸、農薬、睡眠剤、一酸化炭素、トリカブト、覚醒剤、アルコール、猫いらず、クレゾール、シンナー…。古今東西のありとあらゆる毒物殺人の謎を解き明かしながら、監察医制度の未整備な“毒殺天国・日本”の現状を告発する。
目次
砒素
青酸
農薬
睡眠剤
一酸化炭素
トリカブト
覚醒剤
アルコール
猫いらず/クレゾール/シンナーなど
毒物はこうして人を殺す
著者等紹介
上野正彦[ウエノマサヒコ]
1929年茨城県生まれ。1954年東邦医科大学卒業後、日本大学医学部法医学教室に入る。1959年東京都監察医務院監察医となり、1984年同院長に就任。1989年退任後は法医学評論家として活躍
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感想・レビュー
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そる
304
連続上野先生。先に読んだ「裏切られた死体」と同エピソード多数、また一貫して「今はムカついた、誰でもよかったなど理解不能な殺人が多い。世の中が便利になり我慢忍耐が足りなくなったか」と語られる。こちらの方が毒物中心で専門的。大事件の捜査の裏側などが興味深くおもしろい。ただ先の本にもあった重症身体障害の子を持つ夫婦の話は、上野先生は絶賛だがそんな感動的なものではない。エゴだと私は思う。「今の日本ほど、命を軽視した時代はないように思う。命の原点に立ちかえって、その尊さを見直さなければならない時だと思うのである。」2021/02/16
ジョニジョニ
6
毒物死に着目した事件簿、という印象です。青酸カリとか睡眠薬なんかはすぐに浮かぶけど、青酸ガスや一酸化炭素が意外に感じたのは、「毒は固形か液体」と思い込んでたからなのかなー、と気づきました。目に見えないってコワイ。2018/10/23
ぼうさん
5
毒物についての話がメインの本作でしたが、昔と今の違いはあるけど首吊り、飛び降りなどは変わらないんだな。しかし、監察医というのは凄いと改めて認識をさせられた一冊でした。2015/11/03
トマシーナ
3
「死体は生きている」に引き続いて、大変興味深い内容だった。とても明快な解説が素人にも理解しやすい。実生活で自分が直面することは殆どないと思われるが、TVドラマや小説などでこういう事件/事故のシーンが出てきたときに役に立ちそうである。2017/11/04
りのん
3
監察医として死と生を間近で感じノンフィクションで語られる殺人や死の定義。死体のに対する態度、死体の見方。その裏に潜むものの引き出し方。 2017/09/07
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