感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろちゃん
2
期待値が大きすぎたのか、思っていた程面白くなかった。自伝特有の力強さが感じられなかった。そもそも自伝と言えるのだろうか。自伝的要素の強い第一章はやはり面白かったが、第二章以降の発掘に関する話は、考古学としては興味深かったけども、読み物としてはあまり面白くなく、退屈だった。シュリーマンの功績を伝える目的で書かれたのであり、主観的に述べられるのはある種当然であるから、多少の脚色はあろうが、他者による解説が中心であるため、肝心のシュリーマンの情熱があまり伝わってこなかった。史実かどうかよりもその点が特に残念。2012/04/30
Akiro OUED
1
シュリーマンは、話して脳に言葉を刻みつけた。同時に聞く力も鍛えられる。話せない言葉は聞き取れない。ホメロスの見聞通りにイリアスは書かれたという信念によって、トロイアとミュケナイを発掘した。大東亜戦争がアジアを開放する聖戦だったというグラサン歴史家にとって、この本は痛すぎる。2024/09/08