感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
19
ヒューマニズムは、ローマ的性格が 後期ギリシア的教養と合体することに 発する、特殊なローマ的現象（１６頁）。 人間が理性的動物として解されるかぎり、 たんなる人間より以上のものが人間だ、 というところに、人間の本質がある（４３頁）。 本質的な 人間的人間の人間性（傍点） を 顧ることによって、 歴史記述的に（ヒストーリッシュ）に計算された よりもさらに古い歴史生起的（ゲシヒトリッシ）な意味 を、ヒューマニズムという語に取り戻してやる 可能性が生れる（４７頁）。 2014/05/09
嫁宮 悠
4
『存在と時間』刊行から20年後に書かれた書簡を書籍化したもの。内容は一般的に言われる「ヒューマニズム」について書かれたものではない。「存在の真理」の探究、また『存在と時間』（未読）の補足といった印象だが、正直よく分からない。分かったのは、私たちのすぐ近くにあるようで、捉えることができない「存在」の神秘性、ハイデガーの詩的な文章がそれをさらにまばゆくさせる。再読して理解できる日が来るのだろうか……「言葉は存在の真理の住家である14」2019/05/28
うえ
4
「歴史の出来事は存在の真理の宿命として存在から本当に生成します『ヘルダーリンの讃歌についての講演』」「ヘルダーリンは、かれの同国人の本性をむしろ「夕べの国」の宿命への従属から眺めています」「形而上学的にはナショナリズムはすべていわば人間主義であり、またそれなりに主観主義です。国粋主義はたんなる国際主義によって克服されるどころか、かえって拡大され組織化されます。国粋主義が、国際主義によって、フマニタスにもたらされも高められもしないのは、ちょうど個人主義が、歴史を失った集団主義をつうじて生ずる結果と同様です」2015/03/14
